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医療広告規制の留意点、厚労省が説明 基本と実務を提示、美容医療やネット広告も対象

 厚生労働省は18日、医療広告規制に関する説明会を開催し、医療法に基づく広告規制の基本的考え方と具体的留意事項を示した。医療広告は患者の適切な医療選択に資する一方、誤認を招く表示は不適切な受診行動につながる恐れがあると指摘。インターネット広告や美容医療の拡大を踏まえ、広告該当性の判断基準や自由診療表示、限定解除の要件などについて改めて整理した。

広告該当性の三要件示す

 説明ではまず、医療広告に該当するか否かの判断基準として、「誘引性」、「特定性」、「認知性」の三要素が示された。すなわち、患者を誘引する意図があり、特定の医療機関や医師等を対象としており、かつ一般人が認知可能な状態にある場合には、媒体の種類を問わず広告に該当するものと判断される。この考え方に基づき、チラシや看板だけでなく、インターネット上の表示についても規制対象となる。

 特にウェブサイトについては、従来は広告として扱われないケースもあったが、法改正(2018年施行)により広告規制の対象に含まれることとなった。これにより、医療機関の公式サイトや関連ページであっても、内容によっては広告と判断され、医療広告ガイドラインに沿った表示が求められる。

自由診療・美容医療の表示留意

 自由診療に関する広告についても重要な論点として取り上げられた。自由診療は保険診療と異なり、費用や効果、リスクが患者ごとに異なる場合がある。このため広告においては、治療内容、標準的な費用、想定されるリスクや副作用などについて、患者が適切に理解できるよう情報提供を行う必要があるとされた。これらの情報が不十分な場合、患者に誤解を与える恐れがある。

 美容医療の分野についても、具体的な注意点が示された。美容医療は自由診療が中心であり、施術の効果や安全性に関する情報が患者の判断に大きく影響する。このため、効果を過度に強調する表示や、結果を保証するかのような表現は不適切とされる。
 とりわけ、いわゆるビフォーアフターの症例写真の取り扱いについては慎重な対応が求められるとした。術前と術後の写真を対比することで効果を強調する手法は、患者に過度な期待を抱かせる可能性がある。このため、症例写真を用いる場合には、個人差があることや、同様の結果が得られるとは限らないことなど、必要な情報を併せて示す必要があるとされた。

 また、患者の体験談についても、広告として用いる場合には規制の対象となり得るとした。体験談は個人の感想であっても、あたかも一般的な効果であるかのように受け取られる恐れがあるため、体験談の内容や表示方法については、誤認を招かないよう十分な配慮が必要とされる。

限定解除と表示の適正化要件

 医療広告規制においては、原則として広告可能事項が限定されているが、医療機関のウェブサイトなどに限り、一定の要件を満たす場合には、例外的に広告可能事項以外の情報も掲載できる「限定解除」が認められている。
 この限定解除は、患者が自ら情報を求めて閲覧するウェブサイトの特性を踏まえたものであり、無制限に認められるものではない。説明会では、その適用にあたって満たすべき具体的な要件が示された。
まず前提として、掲載される情報は、患者が自らアクセスして取得するものである必要がある。すなわち、医療機関側が一方的に広く誘引する広告とは異なり、患者の主体的な情報収集の範囲にとどまることが求められる。
 その上で、掲載内容について患者が確認や問い合わせを行えるよう、問い合わせ先を明確に記載することが必要とされる。情報の真偽や詳細について、容易に照会できる体制を確保することが求められている。

 さらに、自由診療に関する情報を掲載する場合には、治療内容だけでなく、通常必要とされる費用や治療期間、回数などについても具体的に示す必要がある。加えて、想定されるリスクや副作用についても、患者にとって理解しやすい形で明示することが求められる。
未承認の医薬品や医療機器などを用いる場合には、それが承認を受けていないものであることを明確に表示するなど、追加的な要件が課される。

 これらの要件は、情報提供の自由度を一定程度認める一方で、患者の誤認や不利益を防ぐためのもの。単に詳細な情報を掲載すればよいというものではなく、患者が内容を適切に理解し、判断できるよう配慮された表示が求められている点が重要とした。

 さらに、最上級表示に関する考え方についても注意喚起が行われた。
「最高」、「最先端」、「日本一」などの最上級表現は、客観的な根拠がない場合、誇大広告として問題となる可能性がある。こうした表示を行う場合には、その根拠を明確に示す必要があり、根拠が不十分な場合には使用すべきではないとされた。

 また、比較優良広告についても言及した。他の医療機関と比較して優れているとする表示については、客観的かつ適切な根拠が求められる。根拠が曖昧なまま優位性を強調する表示は、患者の適切な判断を妨げる恐れがある。

 説明会では、医療機関のウェブサイトにおける情報提供の在り方についても触れられた。患者が必要な情報を正確に理解できるよう、内容を分かりやすく整理し、重要な情報を適切に提示することが求められるとした。
 今回の説明会は、医療広告規制の基本的な枠組みを再確認するとともに、特に美容医療やインターネット広告の広がりを踏まえた具体的な留意事項を示すものであった。医療機関に対しては、単に規制に違反しないという観点にとどまらず、患者の適切な判断を支える情報提供という観点から、広告内容の適正化を図ることが求められている。

【田代 宏】

(文中の画像:厚労省の説明資料より)

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