米由来セラミドと免疫ケア オリザ油化が研究推進、樹状細胞巡り近畿大学と産学連携研究
オリザ油化㈱(愛知県一宮市)が米由来セラミド(グルコシルセラミド)の免疫ケア機能を巡る研究開発を進めている。先月、免疫細胞の一種である樹状細胞に対するグルコシルセラミドの機能性とそのメカニズムを、近畿大学薬学総合研究所(大阪府東大阪市)との産学連携で明らかにしたと発表した。こうした細胞試験だけでなく、動物試験の他にヒトを対象にした臨床試験も進めているという。今後の展望として、同社で製造販売する米由来セラミド素材の「オリザセラミド」について、免疫ケアを訴求する機能性表示食品に対応できるようにしたい考えだ。
樹状細胞を巡る近畿大学薬学総合研究所との産学連携研究は、2023年度「Go-Tech事業」(成長型中小企業等研究開発支援事業)の助成を受けて実施した。研究の内容は、同社の「オリザセラミド」に含まれるグルコシルセラミドの免疫賦活機能(インターロイキン6=IL-6産生、抗原提示能)を評価したもので、研究結果は「Rice-derived glucosylceramides activate innate immune responses in myeloid lineage differentiated dendritic cells via toll-like receptors 2 and 4」(米由来のグルコシルセラミドは、骨髄系由来分化樹状細胞においてToll様受容体2および4を介して自然免疫応答を活性化する)のタイトルで論文にまとめ、日本生薬学会の英文学会誌『Journal of Natural Medicines』に掲載された。
研究の結果、同グルコシルセラミドが樹状細胞上のTLR2および4の結合を介してIL-6の放出と樹状細胞表面上のCD40および同80を増加させ、抗原提示能を増強することが分かったという。具体的には、「オリザセラミド」に含まれる13種のグルコシルセラミドの中で、GlcCer[d18:2(4E,8Z)/18:0]に最も強いIL-6放出促進作用が認められた。このグルコシルセラミドは樹状細胞上のトール様受容体(TLR)2および4に結合してIL-6を放出することが分かった。また、グルコシルセラミドに抗原提示能(T細胞の増殖)の活性化が認められた。さらに、抗原提示能の活性化に関与する樹状細胞上のCD40、CD80を増加させる作用が認められた──としている。
樹状細胞は、自然免疫と獲得免疫の双方をつなぐ「免疫の要」となる細胞とされる。IL-6は、樹状細胞などから放出される炎症性サイトカインの一種で、免疫細胞を活性化させる働きを持つとされる。TLR2および4は、免疫細胞の表面に存在する受容体。CD40および80は、抗原提示能(体内に入ってきたウイルス等の情報を免疫の攻撃役であるT細胞に伝える情報共有機能)のトリガー(共刺激分子)とされ、これらが増加すると抗原提示能が増強するとされる。
同社の発表によると、同グルコシルセラミドの免疫ケア機能を巡っては、これまでの研究で、インフルエンザ感染モデルマウスの寿命延長のほか、風邪症状を緩和する働きがヒト臨床試験で示唆されているという。
なお、同社の発表に基づく本研究に関する論文情報は次のとおり。
【掲載誌】Journal of Natural Medicines
【巻・号数】80巻1号p.54-63
【論文名】Rice-derived glucosylceramides activate innate immune responses in myeloid lineage differentiated dendritic cells via toll-like receptors 2 and 4
【URL】https://doi.org/10.1007/s11418-025-01951-1
【石川太郎】
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