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コンビニおにぎり高騰の背景 相対取引価格にみる米価の異常高水準

 「高っ!」1個200円を超えるコンビニおにぎりが現れた。おかかや梅などベーシックな具材を用いた比較的安価なおにぎりでも160円を下らない。紀州南高梅を用いたおにぎりで比較すると、セブンイレブン165円、ローソン170円、ファミリーマート184円だ。消費税を入れるとファミマの商品は200円近い。

相対取引価格、前月比微減も高水準続く

 農林水産省は16日、2025年(令和7年)産米の11月時点における「相対取引価格および数量」を公表した。それによると、11月の全銘柄平均の相対取引価格は、玄米60kg当たり3万6,493円となり、前月比で565円(2%)下落した。一方で、前年同月との比較では依然として高水準にあり、産地・品種別に見ると、多くの主要銘柄で前年を大きく上回る価格水準が続いている。

 11月の相対取引数量は、全銘柄合計で24.6万トンとなった。相対取引価格は、出荷販売業者と実需者の間で締結された相対取引契約の価格をもとに、運賃、包装代、消費税を含めた1等米価格を加重平均したものであり、数量は同契約の合計値である。

地域別でも価格は高水準に

 地域別に主要銘柄の動向を見ると、全国的に前年同期比130~170%台の上昇率が並び、価格水準の高さが際立っている。
 北海道では、「ななつぼし」、「ゆめぴりか」が前年同期比132%、「きらら397」が134%となった。価格水準はいずれも玄米60kg当たり3万4,000円台後半から3万6,000円前後で推移しており、安定した需要の強さがうかがえる。

 東北地域では、青森「まっしぐら」が140%、岩手「ひとめぼれ」が154%、「銀河のしずく」が147%、宮城「ひとめぼれ」が154%、秋田「あきたこまち」が157%など、軒並み高い上昇率を示した。価格帯は銘柄によって差があるものの、多くが3万6,000円台から3万8,000円後半に達している。

 関東地域でも価格上昇が顕著で、茨城「コシヒカリ」が134%、栃木「コシヒカリ」が148%、千葉「コシヒカリ」が153%となった。関東の主要銘柄は、おおむね3万3,000円台~3万7,000円台の水準で推移している。

 甲信越地域では、特に高水準が目立つ。山梨「コシヒカリ」は前年同期比185%と全国でも最高水準の伸びを示した。新潟県では、「コシヒカリ(一般)」が153%、「魚沼」が159%、「岩船」が156%など、主要銘柄で4万円を超えたものがある。

 北陸地域でも高止まりが続き、富山「コシヒカリ」が137%、石川「コシヒカリ」が164%、福井「コシヒカリ」が153%となった。価格帯は3万台後半までの間で推移している。

 東海地域では、岐阜「コシヒカリ」が152%、三重「コシヒカリ(一般)」が169%と大幅な上昇を示した。

 中国・四国地域でも高水準が続く。島根では「コシヒカリ」、「きぬむすめ」、「つや姫」がいずれも170%台となった。愛媛「コシヒカリ」は178%と突出しており、3万円台後半の水準となっている。

 九州地域では、福岡「夢つくし」が134%、「ヒノヒカリ」が140%、佐賀「さがびより」が162%となった。価格帯は3万3,000円台から3万6,000円前後で推移している。

 農林水産省は、こうした相対取引価格の動向について、2018年(平成30年)産以降の米政策見直しの流れの中で、生産者や集荷業者、販売業者の主体的な判断に基づく需給調整が進んでいることを背景に、きめ細かな価格・数量情報の提供を行っているとしている。
 11月は前月比でわずかに下落したものの、依然として歴史的に高い水準にあり、今後の需給動向や販売進捗が注目される。

【谷山 勝利】

発表資料はこちら(農水省HPより)

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