個人ごとの腸内環境の個性が明らかに メタジェン福田社長らの研究グループが解明
㈱メタジェン(山形県鶴岡市、福田真嗣社長)はこのほど、社長の福田氏を含む研究グループによる研究成果を発表した。
慶應義塾大学先端生命科学研究所(山形県鶴岡市、荒川和晴所長)の石井千晴訪問研究員(筆頭著者)と福田真嗣特任教授(責任著者)らの研究グループは、健康な日本人25人を対象とした縦断的研究を通じて、腸内細菌叢および代謝物質のプロファイルが、食事内容の違いに関わらず個人ごとに一貫して安定していることを明らかにした。
また腸内のメタボロームプロファイルは、機械学習により92%以上の精度で個人識別が可能であることが明らかとなり、腸内細菌叢だけでなく産生される代謝物質も、人それぞれ異なることが明らかになったという。
同研究成果は、Taylor & Francis社の学術誌「Gut Microbes Reports」に11月16日(英国現地時間)に掲載された。
研究では、参加者に3つの異なる食事条件(通常の食事、被験者間で共通の毎食異なる食事、毎食同一の食事)を設定し、計176の便サンプルから腸内細菌叢(マイクロバイオーム)と代謝物質(メタボローム)を網羅的に解析し、日常的な食事による影響の大きさを評価した。また、その期間の食事に含まれる食材とその量や栄養素についても解析し、食事と腸内環境の相関関係についても検討した。
研究成果は、便を用いた腸内環境の評価が、普段の食事内容を大きく逸脱しない限り直前の食事にあまり影響されず、信頼性の高い指標となる可能性を示すものであり、今後の腸内環境に基づく個別化医療・ヘルスケアへの応用が期待されるとしている。











