コンディショニングブランドへ変革 10周年のAuB、アスリート由来データで腸内細菌研究を深化
AuB㈱(東京都中央区)は今年、設立10周年を迎えた。創業者は元プロサッカー選手の鈴木啓太氏(=写真)。アスリート由来の腸内細菌データを研究基盤とし、腸内環境サプリメントや検査サービスを事業化。創業当初は研究に専念するベンチャーだった同社。この10年で「研究成果を社会実装する企業」へと進化を遂げた。今後は「腸活」領域を超えて、総合的なコンディショニングブランドとしての事業拡張を目指している。
アスリート起点に、研究成果を事業化
同社は設立当初、アスリートの腸内環境に着目し、検体収集と基礎研究に注力した。鈴木氏自身のアスリート経験から「腸がコンディションを左右する」という実感を持っており、アスリートデータを研究に活用するユニークな発想に至った。
数年にわたる共同研究の成果を基に、腸内環境サプリメントや検査サービスを事業化。特に「免疫機能と腸の関係」に関するデータは、アスリートだけでなく一般消費者にとっても関心の高いテーマであり、事業の差別化要因となっている。
「研究成果を社会に役立てるには、学術的な価値だけでなく、消費者が日常で体感できるソリューションが必要です」と鈴木氏は強調する。研究ベースのベンチャーから、商品とサービスを提供する事業会社へと進んだことが、同社10年の最大の成果と言える。
成長戦略の軸は「コンディショニング」
今後の成長戦略は、腸にとどまらない総合的な「コンディショニング領域」への展開。「我々のミッションは『すべての人を、ベストコンディションに。』です。腸はその第一の基盤ですが、睡眠、栄養、ストレス管理など、あらゆる要素を組み合わせたサービスに進化させたい」と鈴木氏。
具体的には、腸内環境のリアルタイム可視化デバイスの開発を進めている。従来型検査が抱える課題である高コスト・リードタイムの長さを克服し、ユーザーが日常的に腸の状態を把握できる仕組みを構築する考え。
組織体制と人材戦略、求むソルジャー型人材
現在の従業員数は10人。今後5年で30人規模への拡大を目指す。鈴木氏が求めるのは「挑戦を恐れず実行を繰り返すソルジャー型人材」。「優秀でスマートな人材は揃っていますが、ベンチャーに不可欠なのはスピード感と行動力。失敗を恐れず打席に立ち続けられる人材が必要です。組織が一段階成長するには、人材強化が欠かせません」。
今後は外部人材の登用や異業種出身者の採用にも積極的に取り組み、多様な視点と実行力を持つチームづくりを進める方針だ。
大手と協業深化、市場拡大を加速
腸内細菌研究は専門性が高く、単独企業で市場を切り拓くには限界がある。同社は今後の拡大に向けて、大手食品メーカーやヘルスケア企業との協業も視野に入れる。「自社で全てを完結させるのではなく、パートナーシップを活かして市場を広げることが重要です。特にデバイス開発や消費者教育といった領域では、大手企業との連携が加速の鍵になります」と鈴木氏。また、海外で活躍する日本人アスリートが同社製品を利用している事例もあり、グローバル市場においても一定の認知拡大が期待できる。
10周年を迎えた同社は、研究主体のベンチャーから事業モデルを確立した企業へと進化した。鈴木氏は「腸を起点とした研究は、アスリートだけでなく地域や社会全体の健康に貢献できると信じています。10周年は通過点に過ぎません。これからの10年で、腸から始まるヘルスケアを総合的なコンディショニングへ拡張していきたい」と話している。
<COMPANY INFORMATION>
所在地:東京都中央区銀座7丁目13番6号 サガミビル2階
TEL:03-4455-2139
URL:https://aub.co.jp/
事業内容:コンディショニングサポート事業、バイオマーカー開発事業、腸内細菌関連製品開発事業











