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THC超過のCBD飲料、合成品使用 発見した東京都、超過量「非公表」

 東京都は17日、㈱バランスド(東京都渋谷区)が販売していたカンナビジオール(CBD)製品から、残留限度値を超える濃度の麻薬成分が検出されたと発表した(18日付け既報)。対象となった商品は、『ピローCBDナイトドリンク』という清涼飲料水。同社は2023年8月17日のプレスリリースで、「睡眠をサポートするブランド『Pillow(ピロー)』より、CBDを配合した夜用ドリンクの販売を開始したことをお知らせいたします」と発表していた。また同時に、同リリースで「非大麻由来で純度の高い有機化学合成のCBDを使用しています」と説明していた。

 東京都の17日の発表によると、安全確保を目的として成分検査を実施したところ、同品から法令で定める残留限度値(0.1ppm)を超える麻薬成分「Δ9-THC(テトラヒドロカンナビノール)」が検出された。
 東京都保健医療局健康安全部薬務課への取材によると、同社に対して同品の販売中止指示を行ったところ、同品はすでに賞味期限が切れており(2025年7月)、同社からは、「すでに販売は行っていない」との回答があったという。THCの残留量が基準値をどれだけ上回っていたかについては「非公表」だが、同社に対して引き続き、同品の販売開始時期や総販売量などの聞き取りを行っているとしている。
 同品を販売していた同社からは、現在、都と連携しながら経緯や事実確認を含め対応を進めているとの回答は得られたものの、THCが検出された理由やその超過濃度、商品の販売数量、同社の経営体制などに関する質問への回答は得られなかった。

受託製造事業者、今後は取り扱わない方針
 
 同品の製造を行っていたのは、千葉県船橋市に本社工場を構える清涼飲料水製造事業者のタンポポ産業㈱。同社担当者は取材に対して、製造したのは2年前(発売時)の一度のみで、その後の追加オーダーは無かったと回答。また、同品に使われているCBDはバランスド社から支給された合成のCBDだったという。製造依頼当時、バランスド社の担当者はTHC含有量を気にしており、加速試験を行った結果、問題が無かったと報告があった。それを踏まえタンポポ産業で試作を経て、同品の本生産を行ったとしている。
 今回の件を受けタンポポ産業の担当者は、「2年前とは(THCに関する)ルールが違うとは言え、改めて難しい原料だと認識させられた。今後は取り扱わない方針」と話した。同社も、THCが検出された理由についてはコメントしなかった。

過去には超過濃度数10倍というケースも

 CBD製品から残留限度値を超える濃度のTHCが検出されたケースは過去にも発生している。今年5月23日、福岡県が県内で販売されていたCBD製品『CBD EAST GUMMIES(いちご味)』から検出されたとして、県民に対して注意喚起を行った。問題の製品は、神奈川県横浜市に本社を置く厚徳㈱(神奈川県横浜市)が販売していたもので、グミ1袋に8粒が含まれる仕様となっていた。当時、福岡県薬務課はウェルネスデイリーニュースの取材に対して、同成分の超過濃度は基準の数10倍に達していたと答えていた(6月18日付け既報)。

【藤田 勇一】

(冒頭の写真:同社が入居していると思われる6階建てのビル。同社公表の住所によると、同ビル6階部分に入居しているとされる)

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