小林製薬、12月期第3四半期決算発表 7月からテレビ広告再開するも前年同期比減収減益
小林製薬㈱(大阪市中央区、豊田賀一社長)はこのほど、2025年12月期第3四半期(2025年1月1日~9月30日)決算短信を発表した(連結)。売上は前年同期比2.1%減の1,120億3,800万円、営業利益は同32.3%減の114億9,500万円だった。
国内事業では、今春発売した10品目の新製品が売上増加に貢献した。代表的な製品として、『熱中対策 肌キンキンボディミスト』や、生ゴミの消臭と抗菌を両立した『ゴミサワデー 抗菌プラス』などがある。また、訪日外国人数の増加に伴い、インバウンド需要も増加し、売上に貢献。
24年3月22日の紅麹関連製品の自主回収発表以降、全製品で広告を停止し、特にヘルスケアはその影響が大きく減収が続いていたが、25年4月以降はその影響も一巡し、第2四半期(4~6月)から増収に転じた。さらに、25年7月からはテレビ広告を本格的に再開したこともあり、第3四半期(7~9月)はさらに増収した。日用品も同様に、広告再開の影響と引き続き製品値上げや新製品の貢献もあり増収となった。
一方、通販においては、定期購入の契約数が減少した影響で減収。自社通販サイトとコールセンターを通じた製品の販売は、今期をもって終了することを発表している。その結果、同セグメントの売上は同2.3%減の843億7,400万円、利益は同27%減の116億8,200万円だった。そのうち、ヘルスケアの売上は同3.8%減の414億5,600万円、通販は同38.7%減の22億6,300万円だった。
国際事業では、米国・中国・東南アジアを中心に、カイロや額用冷却シート『熱さまシート』、外用消炎鎮痛剤『アンメルツ』などを販売しており、広告や販売促進など積極的に投資することで、売上拡大に努めた。米国では、25年1月~3月は24年の同時期と比べて、気温低下によりカイロが伸長したことと、25年末の冬に向けたカイロの送品が好調だった影響により増収。中国では、例年に比べて発熱患者が減少したことにより、熱さまシート需要が低迷し減収となった。東南アジアでは、前年の各種感染症流行の反動で熱さまシート需要が低迷したことにより減収。
その結果、同セグメントの売上は同2.3%減の312億400万円、2億600万円の損失となった(前年同期のセグメント利益は7億6,000万円)となった。
また同社では、機能性表示食品『紅麹コレステヘルプ』に関する健康被害や自主回収に関して、引き続き企業からの回収費用に係る情報収集、その費用の支払い、健康被害を受けた消費者からの補償申請書類の確認や医療費等の補償の支払いを順次進めている。主に企業向け紅麹原料の回収費用、健康被害を受けた消費者への補償費用について、現時点で合理的に見積り可能な範囲内で、製品回収関連損失引当金として33億8,600万円(前年同期は99億4,700万円)を計上しているが、訴訟等、現時点で合理的な見積りに及ばない範囲については、同社がその総額を合理的に見積ることは困難で、追加的に費用が発生する可能性があるとしている。











