カキ小屋「牡蠣奉行」が景表法違反 消費者庁、「通常価格」販売の実態が無いとして措置命令
消費者庁は10日、全国の商業施設などで移動型イベント「出張カキ小屋 牡蠣奉行」を展開するLH㈱(東京都目黒区、林昭信社長)に対して、景品表示法第5条第2号(有利誤認)に基づき措置命令を行ったと発表した。
同社は、「出張カキ小屋 牡蠣奉行」というイベントで「宮城県産 カキ一盛り(約1kg)※焼きガキ用」という料理を提供。少なくとも今年2月22日~5月13日までの間、同イベントの開催告知を行うウェブサイトやチラシなどの媒体で、「旬の東北のカキを特別価格でご提供!!」、「復興支援価格!!」、「宮城県産 カキ一盛り(約1kg)※焼きガキ用 通常価格1,320円(税込)→880円(税込)」などと表示。通常価格1,320円から880円に割引を強調することで、実際の提供価格が、あたかも、通常価格より安いかのように表示していた。
同庁の調査によると、同社は遅くとも2024年9月13日以降に開催されたイベント「出張カキ小屋 牡蠣奉行」において、同料理を一度も通常価格である1,320円で販売した実績が無く、実際の販売価格は、常に表示上の割引価格である880円、または一部の期間・場所ではさらに安価な660円で提供されていた。
不当だとされた表示は、今年2月22日から5月13日までの間、ウェブサイトの各イベント開催ページに掲載されたチラシをはじめ、全国の商業施設等で開催された計22件のイベントで確認された。具体的な開催場所は、メガセンタートライアル石下店、アピタ宇都宮店、JR両国駅前特設会場、イオンタウン彦根、モラージュ佐賀など、広範な地域にわたっている 。

同庁は、販売実績のない架空の「通常価格」を提示し、実際の価格を著しく安価であるかのように誤認させた行為が、景品表示法第5条第2号に定める有利誤認表示に該当すると判断。同社に対して、違反事実の周知徹底、再発防止体制の構築都役員・従業員への周知徹底、同行為の差し止めを命じた。
【藤田 勇一】
(冒頭の写真:説明する同庁表示対策課、上席景品・表示調査官、高橋佑美子氏(左)、文中の写真:表示の一例/消費者庁公表資料より)
関連資料:消費者庁ホームページへ