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全身脱毛契約めぐる紛争、和解 若年層の被害受け東京都委員会が仲裁

 東京都消費者被害救済委員会は、全身脱毛エステ契約を巡り、若年層消費者とクレジット会社間で生じた紛争について、あっせんによる解決を成立させた。不実告知や契約書不備、与信審査の不十分さが問題視され、再発防止に向けた事業者・クレジット会社・行政・消費者への注意喚起が示された。

契約内容と説明の齟齬が問題に

 同件は、若年層の消費者が「一生無制限」、「通い放題」と説明を受けて契約したにもかかわらず、実際には期間1年間・6回という内容だった。契約から1年後にエステ店が閉店し、役務提供が受けられない状況に陥ったにもかかわらず、クレジット会社からの請求が継続したため、消費者は不信感を募らせ、消費生活センターを通じてあっせんを申し立てた。

 委員会は、契約内容と勧誘時の説明が齟齬を来していたことから、不実告知による取消しの可能性を認めた。また、クレジット契約書に役務提供期間の記載不備があった点も問題視した。
さらに、申立人の多くが18歳や19歳といった成年直後の消費者であり、判断力や契約知識の不足に付け込んだ勧誘が行われていたことも考慮した。こうした状況は、特定商取引法上の不当な勧誘に当たる可能性がある。

与信審査の不備と調査義務の課題

 加えて、クレジット会社の与信審査における確認作業が形骸化していた点も課題とされた。電話確認で役務提供期間などの重要事項を具体的に聞き取れば、消費者が説明との食い違いに気付く可能性があったとされ、調査義務の在り方が問題視された。

 最終的に、申立人はすでに支払った金銭の返還を求めない代わりに、クレジット会社も残額を請求しないという合意に至り、あっせん解決が成立した。

再発防止に向けた委員会の提言

 委員会は今後の再発防止に向け、事業者には正確な契約内容の説明を徹底し、特に若年層に対して「今日だけ」などと契約を急がせる勧誘を避けるよう求めた。
 また、クレジット会社には、契約の実態を確認できる与信審査を行うよう提言した。消費者に対しては、無料体験をきっかけに高額契約を迫られてもその場で即決せず、契約書の内容を十分確認するよう注意を呼びかけた。さらに、行政にも監督権限に基づく厳正な調査と啓発活動の強化が求められている。

【編集部】

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