有機酒類の輸出入が解禁へ 英国・米国・豪州・NZとの同等性発効
農林水産省は、10月1日から英国、米国、オーストラリア、ニュージーランドとの間で有機酒類の同等性が発効すると発表した。有機JAS認証を受けた日本国内製造の酒類は「有機(organic)」と表示して輸出可能となる。
背景と経緯
これまで有機農産物や有機加工食品は、各国と有機JAS制度に基づく輸出入が認められてきたが、酒類は対象外だった。2022年10月に有機酒類が有機JASの対象となったことを受け、農水省と国税庁が各国と協議を重ねた結果、今回の合意に至った。これにより、輸出入手続きの簡素化やコスト削減が進むとみられる。政府は、有機日本酒などの輸出拡大が期待する。
英国との合意内容
日本から英国へは、有機JAS認証を受け国内で製造・加工された酒類を対象とし、基準は有機加工食品の日本農林規格に準拠する。英国から日本への輸入は、英国内で認証された酒類が対象で、イングランド、スコットランド、ウェールズはEC規則834/2007、北アイルランドはEU規則2018/848が基準となる。いずれも発効日は2025年10月1日。
米国との合意内容
日本から米国への輸出は有機JAS認証品が対象で、生産基準は日本農林規格。米国から日本への輸入は米国の有機制度に基づき認証された酒類が対象で、基準はNational Organic Program。発効日は同じく同10月1日とする。
オーストラリアとの合意内容
オーストラリアでは、従来から第三者認証に基づき「オーガニック」と表示できる制度がある。したがって、日本からの有機酒類は有機JAS認証に基づき従来どおり輸出が可能。オーストラリアからの輸入は国内で認証された酒類が対象で、生産基準はNational Standard for Organic and Biodynamic Produceに基づく。発効日は同10月1日。
ニュージーランドとの合意内容
ニュージーランドにおいても、第三者認証に基づく表示が可能で、日本からの有機酒類は有機JAS認証により輸出できる。ニュージーランドからの輸入は、同国で認証された酒類が対象で、基準はOfficial Organic Assurance Programmeに基づく。発効日は同じく10月1日とする。
詳細はこちら(農水省HPより)