日本版包装前面栄養表示案公表 消費者庁が意見募集開始、年度内の策定目指す
消費者庁は、食品容器包装に主要な栄養成分を分かりやすく示す「日本版包装前面栄養表示(日本版FOPNL)ガイドライン(案)」を公表し、意見募集を開始した。日本版FOPNLガイドラインは、消費者の健康的な食品選択を支援することを目的に策定されたもので、食品表示基準に基づく義務化はせず、事業者や自治体に向けた指針として位置付けられる。今後は寄せられた意見を踏まえ、第2回検討会で最終案を取りまとめ、年度内の公表を目指す方針。
消費者庁は、食品の容器包装に栄養成分を分かりやすく表示することを目的とした日本版FOPNLガイドライン(案)を公表し、10月21日までパブリックコメントを募集する。
同ガイドラインは、消費者の健康維持や食環境の改善を後押しするために策定されたもの。食品事業者や自治体にとって今後の表示対応の参考となる指針だが、法令に基づく義務ではなく、食品表示基準には位置づけない方針だ。
日本版FOPNLガイドラインの背景と目的
2015年以降、容器包装に入れられた加工食品や添加物には栄養成分表示が義務付けられている。しかし、消費者庁の調査では、栄養成分表示を認識している人は約7割にとどまり、そのうち日常的に活用していない人は約4割に上る。こうした状況から、より視認性の高い表示が求められてきた。
2024年度には「日本版包装前面栄養表示に関する検討会」(日本版FOPNL検討会)が新たに設置され、表示様式案やガイドラインの構成、食品表示基準上の扱いについてさらに具体的な議論が進められてきた。
日本版FOPNLの目的は、消費者が簡便に主要栄養成分の内容を把握し、より健康的な食品選択を支援することにある。定義としては、「容器包装の主要な表示面に、主要な栄養成分の含有量と基準値に対する割合を記載した表示」と位置付けられる。
2024年度の検討会に基づき作成されたガイドライン原案では、「背景」、「表示の目的」、「表示の定義」、「ガイドラインの適用範囲」、「基本的な表示方法」、「販売時と接種時の栄養成分等の量に乖離が生じる食品の取り扱い」――の6項目が構成要素として示された。
パブコメの結果を踏まえて第2回検討会を開催し、ガイドライン最終案を検討した上で今年度中の策定を目指す。
意見募集はこちら(e-GOVより)