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機能性表示食品、表示禁止事項見直しへ 消費者委員会部会、マイナス方向強調表示認める基準改正案を容認

 食品一般に認められている「糖質オフ」、「糖類無添加」、「ノンカフェイン」などといったマイナス方向の強調表示を、機能性表示食品についても認める食品表示基準の改正案について、内閣総理大臣から意見を求められていた消費者委員会が、改正案を了承する見通しとなった。
 消費者委員会の食品表示部会は25日、結論が出なかった先月31日に続く2回目の審議を行い、改正案は「適当」だとする答申書案をまとめた。ただし、「事業者に適正な表示を促すための手引きや不正表示を把握・是正するための指針の改定」などを求める附帯意見も付して答申する方向。あす27日に開く本会議で、正式な文書を取りまとめ、答申を出す予定だ。

 この食品表示基準改正案は、機能性表示食品の「表示禁止事項」を規定している第9条1項8号の一部を改正するもの。現行では、「(同基準)第7条の規定に基づく栄養成分の補給ができる旨の表示及び栄養成分又は熱量の適切な摂取ができる旨の表示をする場合を除き、消費者庁長官に届け出た機能性関与成分以外の成分(別表第9の第一欄に掲げる栄養成分を含む。)を強調する用語」としているところを、「消費者庁長官に届け出た機能性関与成分以外の成分(別表第九の第一欄に掲げる栄養成分を除く。)を強調する用語」に改める。

 届け出た機能性関与成分以外の成分を含むことを強調する表示は、これまでどおり禁じられる。しかし、この改正により、機能性表示食品について現在では禁じられている、「糖類無添加」「砂糖不使用」「食塩無添加」「食塩不使用」「糖質オフ」「糖質ゼロ」「糖質カット」──などといった表示がその他の一般の食品と同様、可能になる。

 ただ、市場に流通されている機能性表示食品の一部は、すでにこうした表示を行っているとされる。そのため、同部会委員である森田満樹氏はこの日の審議で、違反の恐れがある表示が黙認されてきた実態を問題視しつつ、「機能性関与成分以外の表示について、企業が拡大解釈している可能性がある」と指摘。また、同じく同部会委員で弁護士の菅聡一郎氏は、違反の可能性がある表示が問題視されず販売されていた経緯の検証が必要。いくらルールを作成しても、それが守られることなく逸脱されるようでは意味がない」と指摘し、基準改正後、監視体制を強化するよう求めた。
 一方で、「条文が極めてわかりづらい。(企業も)意図せず(食塩無添加などと)表示していたのではないか」(元消費者庁幹部)との見方もある。

 食品表示部会がこの日まとめた答申書案の全文は以下のとおり。
 「食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)の一部改正について、諮問された改正案のとおりとすることが適当である。
 なお、消費者委員会食品表示部会の議論においては、一般食品と同様の表示ができることや消費者の選択に資することへの前向きな意見が多かった一方で、機能性表示食品は反復継続して摂取されることが見込まれる食品であることへの懸念等が示された。
 これらを踏まえ、消費者庁においては、本改正が消費者の自主的かつ合理的な食品選択の機会の確保に寄与しうるよう、事業者に適正な表示を促すための手引きや不正表示を把握・是正するための指針の改定等をお願いしたい。また、引き続き手引き・指針の内容に準じて適切な監視指導を行うとともに、消費者向けのわかりやすいQ&Aを活用した普及・啓発を実施するなど、必要な取組を進めていただきたい」

 一方、委員の菅氏はこの日、「サプリメント形状の食品は、反復継続使用や過剰摂取のリスクが高く、一般食品と同様の表示を認めるべきではない」と主張した。
 その上で、①サプリメント形状食品に対する規制緩和の必要性は乏しく、懸念があることを明記すること、②表示可能・不可の明確なQ&Aやマニュアルの整備と周知徹底すること、③改正後の表示状況を優良誤認の観点から注視し、報告・見直しの余地を残すこと、④サプリメント形状の食品を統一するルールを検討する際には、サプリメントの特性に応じた表示規制が改めて検討されるべきこと──の4つを消費者委員会として意見するよう求めた。

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