デイサービスでウエルシュ菌による食中毒 牛丼などで17人、1人が入院
東京都は23日、足立区内の通所介護事業所(デイサービス)において提供された食事に起因する食中毒が発生したことを明らかにした。今月14日、当該施設の職員から「11日の昼食後に施設利用者および職員の複数名が下痢や腹痛の症状を訴えている」との通報が東京都保健医療情報センターを通じて足立保健所に寄せられたことにより、調査が開始された。
足立保健所によると、患者は通所介護事業所の利用者14人と職員3人の計17人で、いずれも11日の昼食に提供された牛丼を喫食していた。
牛丼は前日に施設内で調理された具材と当日炊飯した白飯を盛り付けて提供されたという。患者のふん便8検体、牛丼の残品、施設内の拭き取り3検体から、病因物質であるウエルシュ菌が検出された。さらに、施設内で感染症の発生が疑われる情報がないことも確認された。
これらの調査結果に基づき、足立保健所は当該食事が原因のウエルシュ菌による食中毒と断定。その根拠として、全患者が共通して同じ日に牛丼を喫食していたこと、検体からウエルシュ菌が検出されたこと、患者の症状と潜伏時間が同菌によるものと一致していたこと、さらに診察医師から食中毒の届出があったことを挙げた。
患者は22歳~95歳までの男女計17人。うち1人が入院中という。症状は下痢、腹痛などで、現在はいずれも回復傾向にある。保健所は当該通所介護事業所に対して、再発防止に向けた厳重な注意指導を実施した。
なお、東京都内における本件を除く今年1月1日~7月22日までの食中毒発生件数は88件、患者数は967人、死亡者は確認されていない。
詳細はこちら(東京都のHPより)