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第11回個別品目表示ルール見直し分科会 煮干し・削り節、食酢の表示ルールを議論

 消費者庁は16日、「第11回個別品目ごとの表示ルール見直し分科会」を開催した。今回の会合では、「煮干し」、「削り節」などの水産乾製品および「食酢」を対象とした表示ルールの見直しを議題とした。原材料名や製造地表示の明確化などを巡り委員間で活発な意見交換が行われた。

削り節の個別ルール見直し

 削り節の個別品目ルールについて、(一社)全国削節工業協会からの要望を踏まえた検討が行われた。協会側は、定義と名称の一部改正を条件に存続を希望し、その他の項目については廃止を求めていた。
審議の結果、削り節については定義と名称を一部改正した上で存続させ、その他の項目については廃止する方向で取りまとめることが決定された。

煮干魚類の個別ルール見直し

 煮干魚類については、全国煮干協会から詳細な説明が行われた。同協会は、魚類を原料としない煮干しとの区別のため、定義と名称については現状維持を希望していた。一方、原材料名、内容量、表示禁止事項については、横断ルールでの対応が可能として廃止を求めていた。

魚種混入問題への対応

 審議では、海中で混在して生息する魚類の選別作業の困難さが焦点となった。協会側は、手作業による選別の限界を説明し、意図しない魚種の残存について理解を求めた。
 委員からは、重量の割合が80%以上の魚種がある場合の特別規定について、他の食品への悪影響を懸念する声が上がった。

 これに対して消費者庁は、意図しない混入については横断ルールで対応可能との見解を示した。使用した原材料を重量割合の高い順に表示するという基本原則に従い、選別努力を行った上で残存する魚種については表示義務がないとの解釈を明確にした。意図せずに混入した原材料を表示する必要はない。そもそも意図して使っているわけではないので、書こうと思っても表示することはできないとの判断を示した。

最終的な取りまとめ

 審議の結果、煮干魚類の個別品目ルールについては、定義と名称は現状維持とし、その他の項目については廃止する方向で取りまとめることが決定された。
 業界団体には、品質維持のための選別努力の継続が求められ、協会側もこれに応じる姿勢を示した。両品目とも、実態に合わせた合理的な規制への見直しが実現することとなった。

食酢表示の現状と課題

 続いて、「食酢」の表示ルールの見直しに関する議論が行われた。食酢はその製造工程や原材料の多様性ゆえ、消費者への適切な情報提供のあり方が課題とされてきた。
 議論の中では、特に「醸造酢」と「合成酢」の区別や、原材料の表記方法に関する現行ルールの分かりにくさが問題視された。現行制度では、複数の酢をブレンドした製品でも、最終製品の表示に原酢の構成や比率が反映されないことが多く、これが消費者の理解を妨げているとの指摘が出た。

製法・用途表示を巡る意見の対立

 委員からは、具体的な製造方法や原材料を明記する方向でのルール整備を求める声が上がる一方で、業界側からは過度な表示義務が現場の混乱やコスト増につながるとの懸念も示された。例えば、米酢や果実酢のように原材料によって風味や用途が異なる酢製品においては、原材料名に加えて「○○酢」といった用途名や製法表示を加えることの是非が論点となった。
 また、使用する原材料に由来する成分や添加物の表示方法についても、酢酸やアルコール添加などの工程をどこまで記載すべきかについて意見が分かれた。

 最終的に、定義・名称は現状維持、添加物・名称規制は廃止で合意された。追加的表示事項のうち酸度・種類別名称は現状維持、醸造酢混合割合・希釈倍数は廃止される。表示様式は酸度規定のみ現状維持とし、表示禁止事項は一部改正で進める方針が示された。第12回懇談会は8月26日に開催予定で、ドレッシング・食用植物油脂・農産物漬物の3品目を審議する。

【田代 宏】

当日の資料はこちら(消費者庁HPより)

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