さくら乳酸菌、ドライアイ緩和が示唆 NODマウスモデル試験、オリザ油化と宮崎大学農学部が共同研究
桜の花由来乳酸菌(Lacticaseibacillus paracasei shidare株)に、ドライアイを緩和する働きのある可能性がマウス試験で分かったという。
「さくら乳酸菌」として商標登録した桜の花由来乳酸菌を昨年10月発売していたサプリメント原材料メーカーのオリザ油化㈱(愛知県一宮市)と、宮崎大学農学部の小川健二郎准教授の共同研究成果。特許出願も共同で行った。同社と同大が16日、発表した。
発表によると、共同研究は、同社の桜の花由来乳酸菌が、自己免疫疾患のシェーグレン症候群に起因するドライアイに有効かどうかを調べるために実施。近年の研究で、ドライアイの発症や進行には腸内環境の悪化が関係していることが分かっているといい、整腸機能のある同乳酸菌のドライアイ改善機能を検証することにした。
研究では、ドライアイ症状の研究に用いられる、涙液や唾液分泌機能が低下したマウス(NODマウスモデル)に対し、同社のさくら乳酸菌を持続的に経口投与。
その結果、涙液分泌量の増加をはじめ、涙腺細胞を保護したり、腸内環境を改善(短鎖脂肪酸産生菌の増殖促進)させたりする働きが確認されたという。腸における炎症抑制(炎症性サイトカインIL-6産生抑制)や神経系調整(脳内セロトニン産生促進による涙液分泌機能維持の可能性)といった働きも見られたという。
オリザ油化と宮崎大学は今回の共同研究成果について、「眼の健康を維持する健康食品、機能性食品、サプリメントなど、幅広い分野での活用が期待される」とコメント。
今後は、さらなるエビデンス構築に向けて産学連携を強化するという。
【石川太郎】
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