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農水省、6月の相対取引状況を公表 東北・関東・九州で価格高騰、流通量は大幅減

 農林水産省は16日、令和6年産米の6月分の「相対取引価格・数量」について速報値を公表した。
発表によれば、6月における相対取引の全銘柄平均価格は、玄米60kg当たり2万7,613円で、前年同月比174%、前月比99%となった。取引数量は全銘柄合計で3万4,512トンとなっている。

北海道産は安定傾向、「ゆめぴりか」は苦戦

 北海道産米は全体的に価格がやや抑えられ、数量は比較的多い。「ななつぼし」は2万7,832円(60kg)で前月比横ばいだが、数量は前年同期比で増加傾向にある。一方、「ゆめぴりか」は前年より価格が下落し、数量も減少している。

東北産米の高騰顕著、福島コシヒカリが高値更新

 東北地方では価格が大きく上昇した。秋田県産「あきたこまち」は2万8,000円で前年からの上昇幅が顕著(164%)。福島県産「コシヒカリ(中通り)」は3万3,680円と高値を付けており、価格上昇率も176%に達する。

関東でも高水準続く、「コシヒカリ」が3万超え

 関東では、茨城県産「コシヒカリ」が3万4,201円と全国でも高水準で、対前年比182%と大幅に上昇した。栃木県や群馬県も上昇傾向だが、数量は減少傾向にある。また、埼玉県産「彩のかがやき」は前年よりも高値となっているが、数量は少ない。

中部から近畿にかけて価格上昇続くも数量は限定的

 新潟県産「コシヒカリ(一般)」は2万8,129円と比較的安定しており、「魚沼」「佐渡」などの特別産地は高価格帯を維持。「こしいぶき」は価格上昇と数量増の両方が確認されている。

 富山県、石川県、福井県では公表されている品目が少ないが、富山県産「コシヒカリ」は2万8,041円で対前年比156%、数量は前年より減少している。

 中部・東海地方では価格上昇が顕著だ。愛知県「あいちのかおり」は2万6,475円と前年より高く、数量も前年比増。岐阜県産「コシヒカリ」も3万円超をつけた。静岡県や長野県の価格は上昇傾向にあるが、多くの銘柄で数量非公表となっている。

 滋賀県産「みずかがみ」は3万1,683円と高値をつけ、対前年比208%と大幅に上昇。京都府や兵庫県では価格情報の記載がない品種も多く、傾向把握には限定的である。

中国・四国は安定価格だが情報不足も

 広島県では「コシヒカリ」「あきさかり」などが価格上昇し、数量も前年と比較して増加傾向。山口県では一部価格が2万3,000円台に達しているが、数量情報が限定的。
 四国各県の価格水準は2万2,000円台で安定的に推移しているが、多くの銘柄で数量が記載されていない。

九州は記録的高騰、販売量は大幅減少

 九州は総じて価格上昇が目立つ。熊本県産「ヒノヒカリ」は2万7,367円で前年比175%、鹿児島県の「あきほなみ」は3万3,120円(219%)と最も高い伸び率を示す。福岡県や佐賀県では、例年よりも高価格での取引が続いている一方で、数量は前年より減少傾向にある。

 全国的に令和6年産米は価格が前年に比べて大きく上昇しており、特に東北・関東・九州の上昇幅が目立つ。一方、数量については全体で前年の約67%と大幅に減少しており、販売進捗の遅れや流通量の抑制がうかがえる。今後の需給バランスや販売戦略に影響を与えると考えられる。

 以下に、令和6年産米の相対取引における6月の価格の対前月比(5月比)の傾向の概要をまとめた。ただし、資料に記載のある銘柄に限定し、数量に関する言及は省く。

<北海道・東北地方>
北海道「ななつぼし」:前月比 100%(横ばい)
北海道「ゆめぴりか」:前月比 94%(やや下落)
青森「まっしぐら」:92%(下落)
秋田「あきたこまち」:104%(やや上昇)
山形「はえぬき」:99%(微減)
福島「コシヒカリ(中通り)」:99%(微減)
※東北全体としては横ばい傾向だが、北海道と青森の一部でやや下落がみられる。

<関東地方>
茨城「コシヒカリ」:106%(上昇)
栃木「なすひかり」:108%(上昇)
埼玉「彩のかがやき」:104%(上昇)
千葉「ふさこがね」:96%(下落)
※関東では多くの銘柄が前月比で上昇傾向。千葉県のみやや下落。

<北陸地方>
新潟「コシヒカリ(一般)」:99%(微減)
新潟「こしいぶき」:99%(微減)
富山「コシヒカリ」:98%(下落)
石川「ゆめみづほ」:101%(わずかに上昇)
福井「いちほまれ」:100%(横ばい)
※北陸全体は安定、価格変動は小さい。

<中部・東海地方>
岐阜「ハツシモ」:96%(下落)
静岡「コシヒカリ」:100%(横ばい)
愛知「あいちのかおり」:100%(横ばい)
長野「コシヒカリ」:99%(微減)
※中部地方も概ね横ばい。岐阜のみやや下落。

<近畿地方>
滋賀「みずかがみ」:98%(下落)
奈良「ヒノヒカリ」:93%(やや下落)
※やや下落傾向。

<中国・四国地方>
広島「あきさかり」:96%(下落)
山口「ヒノヒカリ」:99%(微減)
徳島「あきさかり」:101%(わずかに上昇)
※西日本は横ばい~微減。変動幅は小さい。

<九州地方>
福岡「ヒノヒカリ」:99%(微減)
熊本「ヒノヒカリ」:95%(やや下落)
鹿児島「あきほなみ」:99%(微減)
※九州もやや下落がみられるが、価格水準は高い。

【田代 宏】

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