医薬品混入で業界動揺 サラシア協会が謝罪と再発防止へ
サラシア協会が声明発表、医薬品混入に初めて公式見解
サラシアを原料としたいわゆる健康食品に医薬品成分が混入していた問題で業界が揺れる中、サラシアの普及を目的とするサラシア属植物普及協会(村岡修会長)がきのう4日、公式ホームページでコメントを発表した。
「重要なお知らせ『サラシアエキスへの医薬品成分混入事案について』」として、同会会員および関係者に向けた書面では、今回の問題についてその経緯と今後の対応を呼びかけている。おおよそ以下のような概略だ。
全会員に品質管理の徹底を呼びかけ
行政当局の指摘により、同協会の会員企業が供給したサラシアエキスにエフェドリンが微量混入していたことが判明。現時点で健康被害は報告されておらず、健康への影響の可能性も極めて低いとされるが、薬機法上は重大な事案と位置づけられる。
混入の原因は、サラシアエキスを製造する設備で直前に医薬品を製造しており、その成分が設備内に残留していたことによる交差汚染である。当該企業はこの事実を認め、すでに再発防止策を講じている。
サラシア属植物普及協会としては、この事態を極めて重く受け止めており、当該会員企業に対しては、関係先への迅速かつ丁寧な説明と対応を要請するとともに、その他の関係会員にも誠意ある適切な対応を求めている。今後、調査および再発防止策の検証が進められ、情報が更新され次第、改めて報告が行われる予定とし、最後に、同事案によって迷惑をかけたことに対する謝罪と、引き続きの支援・協力への要請が記されている。
編集部の質問にサラシア協会が回答
同協会は同日、ウェルネスデイリーニュース編集部の質問に対して回答した。6月29日付で送付した質問の回答期日がきのうだった。質問事項は4点。回答要旨は以下のとおり。
- 医薬品混入問題への対応
協会は事案発覚直後に、関係会員から事情聴取を行い、原因が抽出工程を担った会員企業にあることを確認した。再発防止を求めるとともに、会員全体への注意喚起と品質管理体制の見直しを要請。さらに、関係者および消費者に向けて謝罪と状況説明の文書を発出している。 - 平常時の品質管理体制
協会は日常的に以下のような品質管理活動を行っている:
• 原料のトレーサビリティ確保
• 行政や業界団体が推進するGMPガイドラインの遵守を会員に推奨
• 自主点検の徹底を促進
• 関連行政資料やガイドラインの周知
今回の事案を受け、現行の取り組みにも改善の余地があると認識している。 - 今後の対応と予防策
対象企業から詳細な報告を受けており、今後も再確認や必要に応じたヒアリングを予定。再発防止策として、以下を検討中
• 製造全工程における洗浄・混入リスク評価指針の構築
• サラシア成分プロファイルの収集と共有
• 第三者監査体制の整備 - 協会としての受け止め
今回の混入は抽出装置の不十分な洗浄によるもので、極めて深刻な品質管理上の問題と認識。防止できなかったことに対し責任の重さを痛感し、関係者および消費者に深く謝罪するとともに、信頼回復に向けて取り組む。
回答書の原本はこちら(⇒会員専用記事閲覧ページへ)
【田代 宏】
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