医薬品成分混入、WNGが取材報告会開催 広がる自主回収、業界に及ぼす影響を懸念
㈱ウェルネスニュースグループ(WNG、東京都港区)は2日、意図しない医薬品成分の微量混入が健康食品の原材料に発覚した問題を巡る取材報告会をオンラインで開催した。WMG会員企業に参加者を限定して開いたもので、原材料メーカーをはじめ受託製造・加工会社、最終製品販売会社などの幹部らを含む約30人が参加。大手企業の参加も目立ち、健康食品全体の信頼に関わる今回の問題に対する危機感がうかがわれた。
取材報告を行ったWNGの石川太郎記者は、健康食品の原材料の製造・品質管理に端を発するかたちで無承認無許可医薬品事案に発展した今回の問題の概要と経緯を報告。行政機関が法的な措置を講じない中で、多くの事業者が自主的に回収を進めている現状について、行政機関は回収するかどうかの判断を事業者に委ねているとの見方を伝えた。
また、今回の問題が健康食品業界に及ぼす影響について、最終製品の自主回数数量を踏まえ、「小さなものでは決してない」と指摘。2日までに自主回収を発表したアサヒグループ食品㈱(東京都墨田区)、富士フイルム㈱(東京都港区)、そして大正製薬㈱(東京都豊島区)の大手3社のみで合計100万個を超えるとし、エフェドリンが検出された当該原材料は機能性表示食品からそれ以外の健康食品まで広範に利用されているため、影響の拡大は避けられないとの見通しを語った。
さらに今回の問題の出口については、まずは当該原材料を製造した松浦薬業㈱(愛知県名古屋市)による原因究明調査の結果報告と、それを踏まえた規制当局による同社への対応が注目されるとしつつ、健康食品原材料の品質確保に向けた機運が業界全体で高まる可能性がある、と推測した。終了後、参加者から、「今回のように情報が限られている場合に、タイムリーに取材内容を共有いただけるのは有り難い」などといった感想が聞かれた。
【編集部】
(冒頭の画像:取材報告会で使用された説明スライドの表紙)
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