エフェドリン微量混入、なぜ判明? きっかけは茨城県の24年度試買検査
松浦薬業㈱(愛知県名古屋市)が製造、㈱タカマ(山口県下関市)が供給(販売)した健康食品の原材料、サラシアオブロンガエキス末(サラシアエキス)の一部ロットに医薬品成分のエフェドリンが微量、意図せず混入していた問題で、混入判明の端緒になったのは、茨城県が2024年度に実施した、いわゆる健康食品の試買検査であったことが25日までに分かった。
県薬務課によると、24年度の試買検査で買い上げた36品目のうち1品目からエフェドリンが検出された。当該品目の形状はタブレット(錠剤)で、検出値は1グラムあたり0.51マイクログラム(0.00051ミリグラム)。販売者等は県外の事業者だったため、当該事業者を管轄する自治体に情報提供したという。当該品目に配合されていたサラシアエキスを供給したタカマが、関係自治体から初めて連絡を受けたのは、今年3月下旬だった。
県は毎年度、いわゆる健康食品の試買検査を実施している。無承認無許可医薬品対策の一貫として行っているもので、主にダイエット系と強壮系のいわゆる健康食品を対象に、県内店舗及びインターネットで商品を買い上げ、医薬品成分を県の研究所で検査する。エフェドリンは、ダイエット系に関する検査成分の1つ。
県は今回、エフェドリンが微量検出された品目の名称や販売者名などを公表していない。この理由について薬務課は取材に、1グラムあたり0.51マイクログラムと微量であった検出値を理由に挙げ、「人の健康に影響を及ぼすような値ではないと考えている」と答えた。
また、24年度の買上検査から、検査機器を新しいものに入れ替えたことで、医薬品成分の含有を巡る検査の精度や感度がぐっと高まった事情もあるという。「(以前の機器で検査した場合)この値であれば不検出。機器を替えたことで、医薬品成分の検出に至っている」と、取材に語った。
【石川太郎】
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