東大教授の接待強要疑惑の余波広がる 中小企業団体連盟も講座の継続求めJCAと連携へ
東京大学教授らによる高額接待強要疑惑が社会問題化している。阿部俊子文科相は9日に行われた記者会見で、「本件については東京大学において事実関係を確認中であると聞いている。文科省としても大学側の対応を注視しながら、大学においての適切な対応が図られるよう必要に応じて指導と助言を行っていく」とコメントしている(会見動画11分47秒~12分35秒)。
3月31日付で廃止された東京大学大学院医学部皮膚科学教室(東京都文京区)の「臨床カンナビノイド学講座」だが、(一社)日本化粧品協会(略称:JCA)は同講座の継続を求めて抗議。今週にも東大側を提訴する構えを見せている。
また、社会連携講座の設置・運営に協力してきた(一社)日本中小企業団体連盟(略称:中団連、東京都中央区、中村賢吾理事長)も、日本化粧品協会と歩みを共にする意思を示している。
日本化粧品協会側が公表しているホームページには、右上方に中団連のロゴも掲載されており、週刊文春(3・13刊)によれば、JCAとともに年間3,000万円の活動経費を支払う契約を締結していたとされる。
中団連のホームページによれば、同団体は全国の中小企業の声を集め、公正な世論として発信するとともに、中小企業の経営・技術支援や地域経済の持続的発展に寄与する活動を展開している。国内外の関係機関との交流、技術普及、省エネルギー化の推進、行政や産業界への提言など多岐にわたる。
臨床カンナビノイド学講座における中団連の役割としては、基礎/臨床研究の計画・立案を行うJCAと、立案した計画を実施する東京大学との利害関係者の管理を担当すること。具体的には、「同講座の研究に関係する取引先、研究機関、行政機関に対する業務全般や支援を指す」(中団連)という。
中団連は取材に対し、「JCAと東大との契約は今も継続している」と回答。事務的な関わりしかないので深い内容は分からないとした上で、「当団体も被害者。日本化粧品協会とともに、東京大学へ臨床カンナビノイド学講座の正常化をお願いしていく」と、講座閉鎖という東大側の一方的な措置に不満をにじませている。
【田代 宏】
関連記事:大麻草由来ビジネスが迷走 国内向けてんかん薬の治験「失敗」で暗雲か?
:日本化粧品協会が東大側を提訴か 【続報】臨床カンナビノイド学講座、泥沼化も
:高額接待問題、マスコミ各社が報道 JCA、来週にも民事提訴、近く記者会見も
:東大教授の接待強要疑惑の余波広がる 中小企業団体連盟も講座の継続求めJCAと連携へ