仕出し弁当でノロウイルス食中毒28人 岐阜県、今年に入り13件658人が発症
岐阜県は令5月5日、多治見市内の弁当製造施設が原因とされるノロウイルスによる食中毒事件が発生したことを発表した。
調査を行った東濃保健所(多治見市上野町)によると、食中毒の原因となったのは、㈲ユミヤ(多治見市下沢町)が製造・提供した弁当で、1日に提供された486食のうち、少なくとも12グループ28人(男性18人、女性10人、年齢は31歳~98歳)が症状を訴えた。このうち12人が医療機関を受診し、2人が入院する事態となった。
提供されたメニューは、「串カツ」、「もやし炒め」、「コーヤ豆腐の玉子とじ」、「カツオメンマ」、「ごはん」など。
患者や調理従事者の便からはノロウイルスが検出され、患者の症状もノロウイルス特有の下痢、嘔吐と一致したことから、県はこの弁当を原因とする食中毒と断定。同社に対して、食品衛生法に基づく営業禁止処分を5月5日から実施した。
現在、患者と従業員の検便、調理場の衛生検査が継続して行われている。なお、すべて全ての発症者は快方に向かっているという。
県は併せて、ノロウイルス食中毒の予防として、調理前やトイレ後の手洗い徹底、調理器具の消毒、加熱処理の徹底、体調不良時の調理業務の回避などを呼び掛けている。
今回の件を含め、2025年の岐阜県内の食中毒発生件数は13件、有症者数は658人に上っており、そのうち10件がノロウイルスによるものである。