外食時の持ち帰り文化を推進 消費者庁が食品ロス削減に向け各種チラシを作成
消費者庁は、SDGs(持続可能な開発目標)に掲げられた食品ロス削減の一環として、「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン」に基づいた啓発用チラシを作成・公開した。
飲食店や消費者を対象とし、外食時に残った料理の持ち帰りを促すことで、無駄な廃棄を減らすことを目的としている。
「mottECO(モッテコ)」の推進
チラシでは、食べ残しを持ち帰る行動を「mottECO(モッテコ)」と命名。これは「もっとエコ」と「持って帰ろう」の意味を掛け合わせたもので、環境省のキャンペーンの一環でもある。
消費者へ衛生的配慮と自己責任の重要性
消費者向けのチラシでは、持ち帰りに際しての衛生的配慮と自己責任の重要性が強調されている。主なポイントは以下の通りである。
・容器への移し替えは自身で行うこと
・帰宅後できるだけ早く食べること
・生ものやスープ類、傷みやすい食品の持ち帰りは控えること
・暑い時期や長時間の持ち運びは避けること
・再加熱は十分に行うこと
また、アレルギーを持つ他人への譲渡を控えることや、異臭・異味を感じた場合には口にしないよう注意を促している。
飲食店側の取り組みも重要に
飲食店に対しても、持ち帰りの促進に関する配慮が求められている。チラシでは、以下のような基本方針が示されている。
・「まずは食べ切る」ことを基本とし、どうしても残る場合に限って持ち帰りを勧める
・持ち帰り可能な食品については加熱済みかつ衛生的に安全なものに限定
・消費者に対し、持ち帰り時の注意点を事前に説明
・飲食店自身も清潔な容器の提供や利用規約の整備などで対応を図る
ガイドラインでは、事業者の民事・衛生上の責任リスク軽減にも配慮されており、トラブルを防ぐための説明責任や利用規約の雛型も示されている。
多言語対応で訪日客にも配慮
ガイドライン関連のチラシは日本語だけでなく、英語・中国語・韓国語などの多言語でも作成しており、インバウンド対応にも配慮された設計となっている。
食品ロス削減の新たな一手
消費者庁は、飲食店と消費者双方が協力し合うことで、食べ残しの持ち帰りが社会全体に広がることを期待している。ガイドラインやチラシの詳細は、消費者庁の食品ロス関連特設サイトで閲覧・ダウンロードが可能。
また、消費者庁では食品ロス削減の啓発のため、各種イベント・行事主催者に対し、食品ロス削減のための啓発用「のぼり旗」の貸出しも行っている。
<のぼり旗>
サイズ:縦1800ミリ×横600ミリ
種類:のぼり旗 A:「完食」でありがとうを伝えよう。
:のぼり旗 B:STOPちょっと残し!
サイズ:横600ミリ×縦1800ミリ
貸出枚数:上限10枚(それ以上の場合は要相談)
貸出期間:最大1カ月間を目安(延長の場合は要相談)
貸し出しの申込はこちら(消費者庁HPより)