高品質な顧客応対でEC事業者を支援 【健康食品・化粧品通販特集】CENTRIC、音声感情解析で従業員満足度向上を目指す
コンタクトセンターの運営、コンサルティングなどを行うCENTRIC㈱(山田亮社長)は、「最もお客様を大切にするコンタクトセンターを作りたい」という思いから、人とシステムに大きな投資を行う。センター運用を支える「人」への投資としては、オペレーターまで含めた全体の正社員採用比率を60%以上に設定し、独自の採用基準と独自の教育、研修で定着率と業務習熟速度の向上を実現している。
業務改善コンサルタントとして2009年に創業し15年
同社は2009年に、業務改善をサポートするコンタクトセンターコンサルティング事業からスタートし、昨年4月で15周年を迎えた。「心豊かな社会の実現」というミッションの下、業務の企画・設計から運用まで、ワンストップサービスをさまざまな企業に提供している。
11年6月に、ECサイト運営事業者に対するコンサルティングと運営代行業務を受託し、業務を開始。以来、通販事業者が抱える新規客獲得や既存顧客とのコミュニケーションに関する課題を、コンタクトセンターとしてサポートしてきた。
17年1月、熊本センターを開設するに当たり、熊本県熊本市と立地協定を締結。4月、同市中央区に、最大稼働時150席の「熊本センター(サービスサイエンスラボ)」を新設した。現在、同支店の座席数は170席、在籍するオペレーターは全部で約270人まで拡大している。19年に開設した和歌山支店(和歌山市板屋町)は、もともと65席だったが、22年10月、より多くのクライアントの期待に応えるため、設備をこれまでの倍の規模に拡張した。現在は、110席、在籍オペレーター数は約120人となっている。
また、元々、コンタクトセンターのコンサル事業を行うために開設し、特定のクライアントのインハウス業務を100席規模で受託している沖縄支店(沖縄県浦添市)に、22年に自社のセンターを開設。現在、20席、約30人が在籍するセンターとなっている。
高い応対品質を提供、EC一括支援にも着手
同社のコンタクトセンターは、業界では珍しく正社員雇用比率が約60%。また、顧客応対に合わせてカスタマイズ可能なCRM(顧客管理システム)を導入し、クライアントパートナーとして事業に貢献することを目指している。さらに、グループ会社のESジャパン㈱(同)では、人の感情を音声から解析する音声感情解析システムを研究開発販売しており、同社コンタクトセンターにも熊本支店の立ち上げ時からシステムを導入している。昨年12月、和歌山支店にも導入した。顧客感情だけでなく、社内の離職リスクのある社員を特定する解析も行い、顧客応対時の声をマーケティングに活用、ビジネス特許も複数取得し、顧客体験を向上させるなど、さまざまな分野での応用が可能と考える。
最近は、通販事業への新規参入や新商品のプロモーションを仕掛けたい事業者との新規商談が増えており、従前の化粧品商材やサプリメントといった健康食品商材の他に、デオドラントクリームや薄毛対策商材といったコンプレックス商材を取り扱う事業者からの問い合わせも増加しているという。注文の受付にとどまらず、受注処理や配送手続き、購入者へのフォローなど、クライアントのニーズに合わせた支援も行っている。また、印刷会社や物流会社との協業にも注力しており、担当者は「DM印刷や配送業者などのコストダウンサービスを提供することで、これまでに培った高い応対品質プラス一括支援で通販事業者を支えたい」と話す。
コロナ禍の経験を生かし、BPO総合支援企業へ
同社では、コロナ禍でひっ迫した保健所業務の支援に奮闘した。熊本県と熊本市からは、コロナ感染による自宅療養者向けフォローアップ業務を受託。コロナに関連した業務を複数の自治体から依頼され、同社の高い応対品質で対応した。ヘルスケア関連業務の拡大を視野に入れ、複数の全国健康保健協会(協会けんぽ)業務や健康診断データ入力代行の医療系BPOなどDX技術を活用したBPO総合支援事業者として事業拡大を目指す。
<COMPANY INFORMATION>
所在地:東京都豊島区池袋2-50-9 第3共立ビル5F(本社)
TEL:03-6912-5164
URL: https://centric.co.jp
事業内容:コンタクトセンター運営事業、音声感情解析サービス研究開発・販売事業など