大麦若葉由来成分に新ヘルスクレーム 【機能性表示食品届出DB更新】睡眠の質改善、東洋新薬が脳腸相関に着目
機能性表示食品の機能性関与成分として届け出されている大麦若葉由来の食物繊維について、睡眠の質の改善に役立つ旨の機能性表示を行う新たな届出が3日、公開された。同成分として初の機能性表示。青汁を主力製造品目の1つとする㈱東洋新薬(本部:佐賀県鳥栖市)が届け出た。
東洋新薬は、機能性関与成分としての大麦若葉由来食物繊維についてこれまで、便通改善機能と腸内環境改善(善玉菌の酪酸菌・乳酸菌を増やす)の2つの機能性表示を届け出ていた。
大麦若葉由来食物繊維として3つめの機能性表示となる今回の届出に当たって同社は、腸内環境と脳が互いに影響を及ぼし合うとされる「脳腸相関」に着目。新たなヒト試験を実施して研究レビュー(SR)を行い、「睡眠の質(起床時の眠気)の改善に役立つ機能があることが報告されています」とする機能性表示を届け出た。
摂取した大麦若葉由来食物繊維が睡眠の質の改善に働く作用メカニズムについては、現在までに得られている知見に基づき、腸内の短鎖脂肪酸の産生増加によって腸内で産生される5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP) を増やし、脳内のセロトニン産生を促進することで睡眠の質に作用する、と考察している。
新規届出6件、モミジ葉含有成分の届出も
3日の機能性表示食品届出情報データベースの更新では、大麦若葉由来食物繊維の新機能性表示を含めて6件(サプリメント1件、サプリ以外の加工食品5件、生鮮食品ゼロ件)の新規届出が公開された。エラグ酸について、植物のモミジの葉に含有するとされる同成分を機能性関与成分として届け出たものが含まれる。
このエラグ酸の届出は、モミジ葉を原材料とするお茶(モミジ茶)を機能性表示食品として届け出たもの。機能性表示としては、高めのBMI値の改善に役立つ旨に加え、体温(手の皮膚表面温度)を回復する機能がそれぞれ報告されている旨を届け出ている。モミジ葉を使った食品を販売する㈱もみじかえで研究所(岐阜県多治見市)が届け出た。
なお、この日の更新でも撤回届出に動きがあり、前回1月30日の更新時点から6件増えた。これで今年1月1日以降に手続きされた撤回届出は計39件(同29日現在)になった。一方で、今年1月に公開された新規届出は、延べ8回のデータベース更新で計70件だった。新規の機能性関与成分や、健康な人の免疫を維持する機能について、新たな作用メカニズムを届け出たものが含まれる。
【石川太郎】
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