新規の機能性関与成分が2つ 【機能性表示食品届出DB更新】キンミズヒキ由来アグリモール類とDHNA
機能性表示食品の届出情報データベース(DB)が30日に更新され、過去に届出実績のない機能性関与成分などを含む新規届出8件(サプリメント3件、サプリ以外の加工食品5件、生鮮食品ゼロ件)が公開された。新規の機能性関与成分は、キンミズヒキ由来アグリモール類と1,4-ジヒドロキシ-2-ナフトエ酸(DHNA)の2成分。また、新規ではないものの、血糖値の指標であるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)に対する機能性表示が公開された。
ファンケルと明治が届け出る
DB更新は2日連続。前回29日の更新では、免疫機能の維持について、従来にない作用メカニズムを機能性表示に盛り込んだ届出が公開されていた。
バラ科植物のキンミズヒキ由来アグリモール類を届け出たのは、㈱ファンケル(横市中区)。『ウェルエイジ プレミアム』を製品名とするサプリメントを届け出たもので、機能性表示の内容は、「活気・活力の低下や疲れを感じやすい中高年の前向きな気分(生き生きする、積極的な気分、活気がわいてくる、やる気)を維持する機能があります。また、日常生活における一時的な疲労感を軽減する機能があります」
この機能性表示について、公開された作用メカニズムに関する説明資料では、体内のミトコンドリアのオートファジー機構であるマイトファジーに言及しつつ、老化細胞を除去して「疲労感を軽減し、前向きな気分を維持する機能を発現する」と考察。また、パッケージ表示見本を見ると、今般の機能性表示食品制度改正で見直された食品表示基準(食品表示法に基づく内閣府令)の規定を遵守したことが窺われる。
一方、1,4-ジヒドロキシ-2-ナフトエ酸(DHNA)を届け出たのは㈱明治(東京都中央区)。DHNAは、チーズを作る際に使用するプロピオン酸菌による乳清発酵物に含まれる成分とされる。同社は今回、同成分を一定量含有するプロセスチーズを機能性表示食品として届け出た。
機能性表示の内容は、「ビフィズス菌を増やして腸内環境を整え、お通じを良好に保つ働きが報告されています」。この届出についても、改正後の食品表示基準の規定を遵守したとみられるパッケージ表示見本が届け出された。
この日のDB更新では、明治による新規届出が他にも公開。届出実績のあるMI-2乳酸菌について、同乳酸菌として新規の機能性表示を届け出た。表示の内容は、BMIが高めの人を対象に、「健常域で高めのHbA1c(血糖コントロールの指標)の低下をサポートします」というもので、ヨーグルトに対して表示する。
HbA1cに対する機能性表示を行う届出は過去にも。小林製薬㈱(大阪中央区)が23年、サラシア由来ネオコタラノールとナリンジンについて、同機能が報告されている旨を届け出ていた。
なお、この日のDB更新でも撤回届出に動きあり、前回29日の更新時点から5件増えた。3社が撤回したもので、販売終了や販売予定の見直しが理由。昨年に比べて鈍化してはいるものの、届出を撤回する動きが続いている。
【石川太郎】
25年1月のDB更新:【7日】巳年のDB更新、静かに始まる 新規3件、撤回ゼロ件
:【9日】「桑の葉」由来ではないイミノシュガーの届出公開
:【16日】PRISMA2020準拠SRが2件
:【21日】ダイドードリンコがSAC PRISMA2020準拠
:【23日】ガルシノールに3つめの機能性表示ゼリア新薬工業が初の届出
:【24日】中鎖脂肪酸、疲労感軽減で届出
:【29日】免疫機能の維持、第4の関与成分 EOD-1株由来パラミロン