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小林製薬、山根社長が退任表明 きのう21日、緊急記者会見

 小林製薬㈱(大阪市中央区)の山根聡社長が退任を表明した。後任には豊田賀一執行役員が昇格する予定。同社は21日、オンラインで記者会見を開催し、後任人事についても内定者を発表した。山根社長の他、佐藤圭、木村孝行両執行役員が説明した。

 また、同社株の10.1%を保有する投資ファンド「オアシス・マネジメント」(以下、オアシス社)からの株主訴訟の提訴請求や株主提案の中身についても明らかにした。

 小林製薬はオアシス社から、紅麹サプリ事件による損害を受けた件で、取締役7人に対して約110億円の損害賠償、ならびに臨時株主総会の開催を請求されており、同事案について20日、取締役会で対応を話し合ったという。

 提訴請求されたのは、前代表取締役会長の小林一雅氏、前代表取締役社長の小林章浩氏、前専務取締役の山根聡氏の他、社外取締役の伊藤邦雄、佐々木かをり、片江善郎、有泉池秋の4氏。提訴請求書によれば、小林製薬の紅麹関連製品において、一部の紅麹原料に同社が想定していない成分が含まれていた件を踏まえ、その後、同社が対象商品の回収や紅麹関連製品事業からの撤退を余儀なくされたことなどによって損害が生じたというもの。

 同社は、臨時株主総会の開催に関しては株主の権利として受け入れたものの、取締役7人に対する訴えについては斥けた。理由として、紅麹サプリを巡る過去の調査において、監査役全員が取締役としての善管注意義務違反はないとの判断を示したとしている。

 紅麹事案についての再調査および社外取締役3人の追加選任という株主提案についても、「追加調査は役職員に過度な負担をかけ、信頼回復や再発防止策の進捗を妨げる可能性があり、企業価値向上につながらない」、「コーポレートガバナンス改革を重視し慎重に検討中」との理由から、2月19日に開催する臨時株主総会において「反対の議決権行使を推奨する」(山根社長)としている。

 3月に開催予定の定時株主総会で付議予定の取締役候補者の氏名は以下のとおり(会見時の配布資料より加工転載)。

 取締役会長に内定している大田嘉仁氏は、京セラ㈱の出身。当時、創業者稲盛氏の信頼もあつく、2010年に経営危機に陥った日本航空の再建に尽力したとされている。

 山根社長は退任を決めた時期を11月末とし、その理由として、紅麹サプリによる被害者の「補償」、「再発防止策」、「社内統制」に一区切りがついたためとした。すでにその頃から、次期役員の内定を進めていたという。

【田代 宏】

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