本音で語りあう年に 【年頭所感】(一社)日本健康食品規格協会(JIHFS) 池田秀子理事長
新年明けましておめでとうございます。
昨年は健康食品業界にとって忘れ得ぬ年の1つとなりました。紅麹事案を巡り、息をつく暇もないほど目まぐるしく開催された行政の会議の数々、その結果を得て機能性表示食品制度の改正が立て続けに打ち出されました。また、それらに先立つ311通知にも影響が及び、機能性表示食品の改正が全て出そろうにはまだ少しかかりそうです。
制度改正による要件は業界にとっては大変重い内容ですが、それらの要求を受け止めなければならない関係者達の間では本音の議論やコミュニケーションが随所で繰り広げられ、それは大変幸いなことであったと感じています。機能性表示食品制度創設以来、機能性のエビデンスや表示内容、さらに広告問題が今日までの主たる関心事でしたが、今回の健康被害発生によって改めて製品や原材料の安全性と品質問題について真剣な議論がなされ、そこから健康食品全体を俯瞰する必要性に関心が向かいつつあります。今こそ、健康食品の根本問題にもう一度立ち返る時期であると思います。
人が健康な生涯を送るためにどのような栄養素やその他の成分をどれだけ取る必要があるのかは、まだこれからの課題です。しかし、少なくともそのために選択し、摂取する健康食品は何をおいても安全でなければなりません。当協会は、これまでの製品と原材料の国内製造工場に対するGMP認証に加えて、2つの新規認証事業を開始します。1つは「輸入原材料GMP認証」、もう1つは「原材料の安全性自主点検認証」です。2005年にGMP認証を開始して、20年の節目となるこの年に新たな事業を開始するというのも胸に迫るものがあります。昨年得た本音で語り合う事を大事にしながら、この新規事業が真に健康食品の存在意義に寄与するものとなることを心から願って活動を続けていく所存です。皆様のご協力とご支援をお願い申し上げます。