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ユーグレナがカンパチ稚魚の成長を促進 自然免疫能が向上する可能性も確認

 ㈱ユーグレナ(東京都港区、出雲充社長)はこのほど、ユーグレナ配合飼料の給与によって、カンパチ稚魚の成長と自然免疫能が向上する可能性を確認したと発表した。鹿児島大学水産学部の横山佐一郎助教との共同研究によるもの。
 今回の研究結果は、12月14日・15日に開催された「日本水産学会九州支部 令和6年度支部大会」で発表した。

 これまで同社は、ユーグレナとその希少成分であるパラミロンが、ヒトの免疫維持、調節に機能することを示唆する研究成果を発表してきた。パラミロンはβ-グルカンの一種で、ヒトや動物が摂取すると粘膜免疫系の免疫細胞に働きかけて免疫賦活作用を発揮すると考えられ、魚に対しても同様にその効果をもたらし、養殖魚の健全な成長をサポートできる可能性があるという。

 同研究では、ユーグレナ配合飼料給与による、カンパチ稚魚の免疫、成長と体成分への影響を検討した。人工種苗カンパチ稚魚に、ユーグレナ粉末無配合飼料(対照区)あるいはユーグレナ粉末1.0%配合飼料(試験区)を30日間給与し比較した。

 その結果、飼育終了時における平均体重と増重率は試験区で有意に高い値となり、試験区の魚は対照区よりも優れた成長を示した。また、他の成長関連項目には、対照区・試験区間に差は認められなかったが、体組成成分では、粗脂質含量が試験区で有意に高かったことから、試験区の魚では体内へのエネルギー源の蓄積を伴い成長した可能性が考えられるとしている。

 また、脂質以外の体組成成分と血中GOTおよびGPT活性、中性脂肪およびグルコース濃度には、対照区と試験区との間に差は認められなかったことから、試験区の魚も対照区と同じく健康状態に異常は確認されなかった。さらに、血中免疫関連項目についてみると、凝集活性には区間差はないが、リゾチーム活性は対照区よりも試験区で有意に高くなった。このことから、ユーグレナを飼料中に配合することで、カンパチ稚魚の自然免疫能を向上できる可能性が考えられるとしている。

 同社では、同研究結果を踏まえ、今後は、カンパチをはじめ、ブリ、マダイなどの養殖魚に対するユーグレナ給餌に関する影響についても研究を進める。また、同社サステナブルアグリテック事業部では、事業化に向けて今後生産者の協力を得て、ユーグレナ飼料の実証試験も予定しているという。

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