新表示、肌のターンオーバーを維持 【機能性表示食品届出DB更新】疲労感軽減の成分が機能性関与成分に
「健康な女性の肌のターンオーバーを維持する機能が報告されています」。こんな表示を行うサプリメントの機能性表示食品の届出が19日、公開された。肌のターンオーバーとは、皮膚の第1層である表皮で行われる代謝のことで、新しい表皮が生まれ、古い表皮が剥がれていくプロセスを言う。それを「維持する」旨の機能性表示が届け出されたことはこれまでなかった。肌のターンオーバーが低下すると、皮膚の役割の1であるバリア機能が低下すると考えられている。
この機能性表示が行われる機能性関与成分は、疲労感軽減機能で届出の多い還元型コエンザイムQ10。
同成分を製造するカネカのグループ会社で、サプリメントなどの通信販売を行うカネカユアへルスケア㈱(東京都港区)が届け出た。公開された届出資料によると、肌のターンオーバーの評価指標としたのは表皮の角層細胞面積。「学術的に広くコンセンサスが得られている指標」という。
消費者庁に届け出されている機能性表示食品では、肌への効果を訴求するものも多く、1,000件近くに上る。グルコシルセラミドやコラーゲンペプチドなどさまざまな機能性関与成分が届け出されていて、訴求機能にも種類がある。これまでに、肌の保湿(うるおいの維持)をはじめ、弾力の維持、紫外線刺激からの保護といった機能性表示が届け出されていたが、「ターンオーバーを維持する」はなかった。機能性関与成分を通じて訴求できる効果にさらなる広がりが見られたことは、美容食品関係事業者にインパクトを与えそうだ。
伊藤園、マスリン酸をサプリで届け出る
12月に入ってから6回目となる19日の届出情報データベースの更新では、計10件(サプリメント8件、サプリ以外の加工食品2件、生鮮食品ゼロ件)の新規届出が受付公開された。撤回届出は、前々回の同月12日の更新時点から9件増加。2更新ぶりに撤回届出が増えた。
公開された新規届出を見ると、㈱伊藤園(東京都渋谷区)が、オリーブ果実から得られるマスリン酸を機能性関与成分として配合したサプリを届け出ている。また、コラーゲンペプチドと葛の花由来イソフラボンの2つを機能性関与成分としつつ、膝や腰に対する機能をはじめ、エネルギー消費を高める機能、体重減少を助ける機能などを複合的に訴求するサプリを、キューサイ㈱(福岡市中央区)が新たに届け出た。
伊藤園がマスリン酸について届け出た機能性表示は、「筋肉に軽い負荷がかかる日常的な運動と併用することで、年齢とともに低下する筋肉量及び握る力を維持する機能があることが報告されています」。マスリン酸のほかに、非変性Ⅱ型コラーゲン(三量体として)も機能性関与成分として配合し、歩行に関わる機能も合わせて訴求する。これまでに100以上の機能性表示食品を届け出ている同社がサプリを手がけるのは珍しく、これで5製品目。
【石川太郎】
12月のDB更新:【2日】撤回届出止まらず、2日間で60件迫る
:【4日】届出者第1号、全届出の撤回に至る ヌルデのエラグ酸が初の届出
:【10日】イミダゾールジペプチド、鶏肉抽出物以外で
:【12日】新規10件、全てSR PRISMA2020準拠の届出は無く
:【17日】内臓脂肪低減、バナバ葉由来成分でも 東洋新薬、ヘルスクレームさらに広げる