第3回「健康日本21専門委」議事録公開 女性の健康、睡眠、飲酒めぐり多角的な議論展開
厚生労働省は18日、10月8日に開催した「第3回健康日本21(第三次)推進専門委員会」の議事録を公表した。
事務局(厚労省)は「スマート・ライフ・プロジェクト」の見直しに関する議論の要点を整理し、同プロジェクトの現状と提案されている変更について説明した。
具体的には、「スマート・ライフ・プロジェクト」および「健康寿命をのばそう!アワード」に追加されるべき新たなテーマとして、「女性の健康」、「睡眠」、「ICTの活用」、「ライフコースアプローチを踏まえた取組」、「自然に健康になれる環境づくり」が提案された。これらは、第三次健康日本21の重点テーマとして扱われ、特に「女性の健康」と「睡眠」は中間評価まで追加テーマとして推進されることが提案された。
広報の戦略についても意見が求められた。特に年代に応じたアプローチやソーシャルメディアの効果的な利用、ウェブサイトの改善が議論された。
若い世代に対する広報の課題
参画団体の活動の継続性を保ち、活動状況のより良い把握を目指すための提案が行われた。特に、更新手続きの際に活動状況を報告するチェックボックスの導入が検討された。
これらの議題は、プロジェクトの将来の方向性を形成するための重要な要素であり、健康寿命を延ばすという全体的な目標に貢献するだろう。
その他のテーマについて、広報の進め方や参画団体の活動評価に関する議論が行われた。具体的には、若い世代へのアプローチの重要性が強調され、対象となる年齢層の特定が議論された。
また、高等教育機関や職場での健康促進活動についても言及された。
特に女性の健康づくりが重要な課題として挙げられた。若い世代には、彼らが頻繁に利用するSNSやメディアを活用した情報発信が効果的であるとの意見が多く見られた。
日本看護協会の松本委員からは、特に若い世代に向けた情報発信の重要性が強調された。健康への優先度が低い傾向にある若者へのアプローチには、既存の枠組みを超えた工夫が必要であると提案された。
具体的なアイディアとしては、健康に良い生活習慣を促進するプロモーションや、インセンティブを伴う運動推進が含まれている。
全体として、若い世代や女性に焦点を当てた広報戦略とその効果的な進め方について、多角的に議論された。参加者からは具体的な改善提案が多数出された。これには、教育機関や医療機関との連携、そして若者が関心を持ちやすい方法での健康情報の提供が含まれている。
飲酒領域に関する議論
飲酒領域における健康日本21(第三次)の推進方向性が議論された。地域や国レベルでの普及啓発、情報発信、環境整備、および関心が薄い層へのアプローチ方法が提案された。
また、飲酒に関する健康影響の調査と研究の推進が強調され、これにより健康日本21の目標達成に寄与することが期待される。
国の取り組みとしては、普及啓発活動や、自治体が活用可能な資材の作成と周知、健康に配慮した飲酒に関するガイドラインの普及が計画されている。
地域における取り組みでは、対象別のアプローチを強化し、保健指導や健康教育を進めることが提案された。さらに、問題飲酒者への支援や環境整備についても、具体的な方策が示された。
女性の飲酒対策を議論
質疑応答では、飲酒に関する様々な問題点が提起され、女性の飲酒への対策が取り上げられた。女性特有の健康リスクに焦点を当て、生涯を通じた女性の健康管理の重要性を強調した。
津下委員は、地域間の飲酒状況の違いや、女性の飲酒が認識されていないことに懸念を示した。また、アルコール広告における女性タレントの起用についても問題提起があった。岡村委員はハイリスクとポピュレーションアプローチのバランスに関して質問した。
これに対して事務局は、国と地域の取り組みを再確認し、特に地域の取り組みの具体的な例として、健康教育・保健指導の重要性について説明した。
瀧本委員は、免許更新の場を活用した健康啓発の可能性について言及し、広告の問題に対するアプローチも必要だと強調した。
質疑応答を通じて、飲酒に関する多岐にわたる問題点が議論され、国と地域の連携の重要性や女性特有のリスクへの対応が強調されたが、最終的な結論には至らず、今後の検討事項として持ち越された。
【田代 宏】