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探訪、スーパーオリエント39(4) 抱いた危機感、科学的根拠が必要にならないか

 植物発酵エキスの機能性をひと言で説明するのは難しい。

 ビルベリーエキスであればアイ(目)ケア、グルコサミンであれば関節ケア──などといったふうに代表的な機能を挙げることができる。一方で、植物発酵エキスのそれはどこか漠然としている。そもそも、原材料の種類が豊富ゆえに、有効成分を特定し難い。その意味では、いわゆる「機能性食品」の枠組みからは外れる食品といえよう。

 だとしても、継続的に摂取することで、何らの効果を体感できるのだろう。そうでなければ、半世紀近くにわたって健康食品市場に残り続けることなどできまい。通販から店販まで幅広いチャネルでさまざまな最終商品が販売されている植物発酵エキスの現在は、愛用者の支持に支えられているといえる。

 だが、消費者からの支持だけでこの先もやっていけるのだろうか──。凍結乾燥することで酵母の発酵力を保持した顆粒状の植物発酵エキス「スーパーオリエント39」を製造販売するインターナショナルフーズ㈱(東京都多摩市)は、そんな危機感を抱いた。

 「健康食品としてやっていく以上、植物発酵エキスもエビデンス(科学的根拠)が求められるのではないか」

 機能性表示食品制度が施行される4年前の2011年。同社は「スーパーオリエント39」の安全性や効果を確かめるための臨床試験を初めて行っていた。それ以前にはラットを使った安全性試験(急性経口毒性試験)も実施。伝統的な健康食品原材料である植物発酵エキスの今後に危機感を抱いた同社は、2015年の機能性表示食品制度施行以降、安全性や効果に関する科学的根拠をさらに得るための臨床試験への投資を重ねていくことになる。

 それによって見えてきた機能がある。

 11年以降から現在まで、女子栄養大学付属クリニックで断続的に実施された大きく3つの人対象試験(1件のアンケート調査含む)。その全てで、「スーパーオリエント39」には便通改善機能がある可能性が示唆されている。UMIN(大学病院医療情報ネットワーク)登録の上で、17年と、19年から21年にかけて実施したRCT(ランダム化比較試験)では、コントロール群との比較で有意な便通改善が認められた。

 では、「スーパーオリエント39」が便通機能を改善する作用メカニズムはどうか。関与成分は不明ながらも、豊富に含まれる食物繊維などのプレバイオティクスによって腸内環境が改善されることによると考察されている。その根拠も一定のところある。

 便通状態の改善を体感したという声が被験者全体(41人対象)の7割超に上った11年のアンケート調査結果を受け、17年に実施したクロスオーバー比較試験(便秘傾向の成人女性16人対象)。排便回数がコントロール群と比べて有意に増加したほか、腸内環境の悪化指標とされる便中腐敗産物の減少傾向が認められた。具体的には、コントロール群と比べて、フェノール、パラクレゾール、スカトールの3つについて減少傾向がみられた。

 それだけではない。19年から21年の3年間にわたり断続的に実施した二重盲検試験(成人男女計36人対象)では、便通の有意な改善に加えて、腸内環境が悪化すると増えるとされる便中アンモニアの低下が認められた。

 被験者全体を対象にした解析では低下傾向を示すにとどまった。だが、試験前の便中アンモニア値が平均以上だった被験者(10人)を対象に層別解析を行った結果、コントロール群との比較で有意な低下を示したと、試験実施者らは報告している。

 「スーパーオリエント39」の姉妹植物発酵エキスに「スーパーオリエント108」がある。「39」をベースとしつつ、別の植物発酵エキスをブレンドしたものだ。

 加熱しているため酵母の活性は保持されていないものの、女子栄養大学栄養クリニックが実施した臨床試験(15年)の結果、腸内細菌叢(腸内フローラ)の多様性を増す働きのある可能性が示唆された。この知見が、酵母活性型の「39」にも腸内フローラに及ぼす働きがあるかどうかを確かめる17年の臨床試験を行うきっかけになった。

 半世紀近く変わらぬ製法で作り続ける伝統的な健康食品原材料にエビデンスを持たせる。それを少しずつ増やしていく。インターナショナルフーズの代表はこう話す。

 「将来を見据えた研究投資を今後も続けたい」

(つづく)

【石川 太郎】

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