社会課題解決に向き合い胃薬で創業 125周年のロート、コーポレートスローガンを刷新
ロート製薬㈱(大阪市生野区、杉本雅史社長)は、社会課題の解決を目指し1899(明治32)年に胃腸薬の販売会社として創業。今年、125周年を迎えた。その後、1909(明治42)年に点眼薬『ロート目薬』を発売し115周年を迎えた。現在、スキンケア、健康食品、機能性表示食品『ロートV5』なども展開している。125周年を迎え、6月に「ロートは、ハートだ。」とコーポレートスローガンを刷新。人を起点とした社会課題の解決に貢献する。
原点は創業~1900年前半に、ロート製薬として75周年
同社は1899年、大阪で信天堂山田安民薬房として創業した。当時の販売商品は胃腸薬の『胃活』。「万病の元は胃にある」との考えの下、「効き目のある胃腸薬の発売こそこれからの日本に必要」と考え発売に至った。その10年後の1909年に、目の感染症流行で目薬需要の高まりを背景に、点眼薬『ロート目薬』を発売。商品名は、処方した当時の眼科医界の権威、井上豊太郎博士の恩師ロートムンド博士の名前に由来する。31(昭和6)年に、『ロート目薬』に新容器「滴下式両口点眼瓶」を採用し、目薬業界に革命を起こした。
49(昭和24)年に、ロート製薬㈱を設立、59(昭和34)年に大阪市生野区に現本社と工場が完成した。62(昭和37)年に胃腸薬『パンシロン』を発売し、テレビCMの積極的な活用を開始。64(昭和39)年には点眼薬『V-ロート』を発売。現在につながる「V-ロートブランド」の基礎を作った。
70(昭和45)年に点眼薬『子どもV・ロート』を発売し、子ども目薬市場を開拓。73(昭和48)年に、コンタクトレンズの普及と安全性志向の高まりを捉え、涙液型目薬の点眼薬『なみだロート』を発売した。75(昭和50)年に、メンソレータム社(米国)から商標専用使用権を取得し、皮膚治療薬『メンソレータム』、医薬部外品『メンソレータム薬用リップスティック』を発売。メンソレータムブランドを事業第3の柱にするため、外皮用剤分野へ進出した。その後88(昭和63)年にメンソレータム社を買収し経営権取得。海外進出への足掛かりとなった。
2000年代、スキンケア市場へ、Well-beingの実現に邁進
2000年代に入り同社は、統合ヘルス&ビューティーケア企業へと進化した。01(平成13)年に機能性化粧品『Obagi(オバジ)』、04(平成16)年に『肌ラボ』を発売するなど、スキンケア領域にも進出。15(平成27)年には、同社初の機能性表示食品として『ロートV5』を発売。以降、消費者が抱える目の悩みや生活習慣の変化に応じた提案を行い、現在では『ロートV5b』(30粒)、(60粒)、『――アクトビジョンa 』(62粒)、『――記憶力サポート』(62粒)の合計4品を展開している。シリーズ累計出荷個数は1,500万個を突破(6月末時点出荷実績)。ロート通販内売り上げNo.1ブランドに成長している。
また、近年では最先端の医療である再生医療事業や、Well-beingの実現にむけて、「薬に頼らない製薬会社」を掲げて、食と社会課題の解決に向け、農業などの一次産業やレストラン等の食事業にも挑戦している。
スローガン・ロゴを一新、人を起点に社会課題解決へ
125周年の節目に同社では、新スローガン「ロートは、ハートだ」を策定し、ロゴを一新した。AIによる効率化・自動化がさらに加速する時代だからこそ、「本当の意味での未来の可能性は、人のハート(心)の中にこそある」とのこれまでも大切にしてきた価値観をより一層大切にしていきたいという社員の思いから、スローガンとロゴの一新に至ったという。
【藤田 勇一】
<COMPANIY INFORMATION>
所在地:大阪市生野区巽西1-8-1(本社)
TEL:06-6758-1231
URL:https://www.rohto.co.jp/
事業内容:医薬品・化粧品・機能性食品等の製造販売
(冒頭の写真:一新したコーポレートスローガン、下の写真:機能性表示食品の「ロートV5ブランド」/いずれも同社提供)