マーキュリーに業務停止3カ月 「使用後、10秒で黄ばみが消えた!」根拠なし
消費者庁は10月31日、薬用歯磨きを販売する通信販売業者㈱マーキュリー(東京都渋谷区、浅川浩孝社長)に対し、特定商取引法に違反したとして3カ月間(2024年11月1日~25年1月31日)の業務禁止を命じた。同庁が1日に発表した。
今後、同社と浅川社長は上記期間において通信販売における広告と申込の受付、売買契約を新たに行うことができない。
同社は、薬用歯磨き『o-dent Clear White』をウェブサイトで販売するに当たり、少なくとも今年1月13日~7月9日までの間、「10秒で黄ばみ消えた!・・・本当に10秒歯に塗るだけで歯が真っ白になったんです!」、「歯の蓄積黄ばみを…完全漂白できる裏技 黄ばみポロポロ落ちる理由」、「数十年へばりついた黄ばみも余裕で100%落として真っ白の歯に!」などと表示し、あたかも塗布した個所の歯の黄ばみを完全に、しかも即座に除去して歯を白くする効能があるかのような表示をしていた。
そこで消費者庁は、特商法第12条の2の規定「合理的な根拠を示す資料の提出」に基づき、表示の裏付けとなる根拠資料の提出を求めたが、同社は資料の提出を行わなかったため、同庁はこれらの表示を不当表示(優良誤認)と認定した。
消費者庁は同社に対し、その発生原因を検証し、法令遵守体制を整備の上、法令および契約に基づく返金、解約の問い合せなどに適切かつ誠実に対応することなどを含む再発防止策を講じ、役員や従業員に周知徹底するように指示した。
また、特商法の規定を順守することはもとより、今回の違反行為について消費者に周知徹底するよう命じた。