小林製薬執行役ら報酬一部受取り辞退 サプリ健康被害問題、経営責任「重く受け止め」
小林製薬㈱(大阪市中央区、山根聡社長)はきのう8日、同社が製造した紅麹を配合したサプリメントによる健康被害問題を受け、同社の執行役員や社外取締役ら計18人から、月額報酬の受け取りを一部辞退する申し出があったことを明らかにした。
同社の発表によると、ヘルスケア事業部長をはじめとする執行役員10人は、健康被害情報の公表の遅れなどを招いた経営責任を重く受け止め、報酬の一部辞退を申し出たという。
ヘルスケア事業部長のほか信頼性補償本部長、製造本部長の3人が月額報酬の2割を3カ月分辞退。その他、今年1月から3月までグループ執行審議会(GMO)を構成していた執行役員7人が月額報酬のうち1割の受け取りを3カ月分辞退する。
一方、社外取締役4人と監査役4人は、経営責任ではなく、「小林製薬の企業価値向上に向けて、全社一丸となって再発防止策を実行していくに当たり、社内の役職員との信頼の関係をより一層強めて取組を進めるべく」との理由から、報酬の一部受け取りを辞退したという。辞退額は月額報酬の1割を3カ月分。
全国に広がった健康被害問題に対する経営責任をめぐり同社は、今年7月、当時の会長及び社長の辞任を発表。また、当時の社長は今年1月~6月に受け取った役員報酬の5割、当時の専務取締役(現社長)は同じく4割を自主返上していた。
(冒頭の写真:小林製薬の本社が入るビル)
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