龍泉堂、PQQの届出サポート開始 対応素材に認知機能領域を追加
サプリメント・健康食品の原材料および最終製品販売を手がける㈱龍泉堂(塩島由晃社長)が機能性表示食品対応素材のラインアップを増やした。「PQQ(ピーキューキュー)」の略称で知られる機能性関与成分、ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩を追加したもので、認知機能領域に展開できる対応素材が初めてラインアップに加わったことになる。最終商品販売会社への届出サポートも開始した。
10月24日に消費者庁が行った機能性表示食品の届出情報公開データベースの更新。PQQを機能性関与成分にしたサプリメントの届出が公開された。届出者は龍泉堂。届け出たヘルスクレームは次のとおり。
「健常な中高年の方の加齢に伴い低下する認知機能の一部である記憶力(言葉を記憶し思い出す力)、注意力(注意を維持し、正確に対処する力)、判断力(変化する状況に応じて適切に対処したり、推論したりする力)、認知柔軟性(指示の変化に対応して処理する力)を維持する機能のあることが報告されています」(一部省略)。
PQQは新規の機能性関与成分ではない。2年前の2020年、同成分として初の届出が公開されていた。ただ、その後、届出件数が増えず、龍泉堂からの届出も含めた累計届出件数は3件(10月末時点)にとどまり、同社の届出は、2年以上ぶりのPQQに関する届出となった。ヘルスクレームは過去の届出と同様に、認知機能の一部に対する機能が報告されている旨を訴求するもの。しかし、内容は異なり、注意力、判断力、認知柔軟性を維持する機能に言及する点に違いがある。
同社は20年2月、国内製に比べてコストパフォーマンスに優れる海外製PQQの取扱いを開始し原材料販売をスタート。その後、機能性表示食品としての販売展開を望む顧客の声も受けて、認知機能に及ぼす有効性や安全性を検証するヒト試験を日本国内で実施。論文発表、研究レビューの実施などを経て、まずは同社としてPQQを機能性関与成分にしたサプリメント『記憶の鉄人』の届出を行った。
届出サポート対応、4素材4機能領域に
届出公開を受けて同社は即刻、最終商品販売会社への届出サポートを開始。これにより、同社が届出サポートを手がけることが可能な機能性表示食品対応素材は、4素材4機能領域に拡充された。具体的には、関節ケアの非変性Ⅱ型コラーゲン、ウェイトマネジメントのエラグ酸(アフリカマンゴノキエキス)、末梢部位体温ケアの6-ジンゲロール/6-ショウガオール(国産ショウガ粉末)、そして認知機能領域のPQQとなる。
このうち、非変性Ⅱ型コラーゲンについては今後、海外メーカーが開発した既存製品に加え、同社で独自開発した新製品を展開していくことになる。〝次世代型非変性Ⅱ型コラーゲン〟として打ち出す『NEXT‐Ⅱ』だ。これを配合した機能性表示食品の届出はすでに公開されており、原材料の販売体制が整い次第、届出サポートを始める計画。既存製品に比べて、可能なヘルスクレームが拡充されたこともあり、「さっそく引き合いを頂戴している」(塩島由晃社長)という。
【石川 太郎】
(冒頭の画像:龍泉堂が届け出たPQQ配合機能性表示食品の表示見本。「mnemoPQQ」は同社が原材料販売を手がけるPQQの製品名。消費者庁届出情報公開DBから)
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