龍泉堂、輸出事業を本格化へ
一部原材料と最終商品 協業も模索
サプリメントの原材料や最終商品を販売する㈱龍泉堂(東京都豊島区、塩島由晃社長)が海外事業の本格化に向けた準備を進めている。主に中国や東南アジア、米国を対象に、日本国内で販売している一部の原材料と最終商品の輸出を本格的に始める。現地企業や国内商社などと協働した輸出事業も検討する。
国産素材を軸に海外品も
原材料の輸出品目は、国産素材を主軸にする計画。また、米国など海外から輸入、国内で販売している素材も輸出品目に加える。
国産素材については、同社の独自素材でいわゆる〝抗メタボ〟素材の「ビタ・オニオンパウダー」(タマネギ濃縮エキス末)と、「オプテイン」(オニオン・パンプキン濃縮エキス末)の2製品を軸に輸出する。ビタ・オニオンの発売は1989年。国内健康食品市場での販売実績の長さも売りに海外市場を開拓する。
一方、海外製品に関しては、国内で機能性表示食品への配合が進んでいる「IGOB131」(エラグ酸含有アフリカマンゴノキエキス)を輸出品目に加える。
ほかにも、製造元の米インターヘルス社(現Lonza Greenwood社)から販売権及び商標権を取得した抗酸化素材「オプティベリー」(6種ベリー混合エキス)を始め、整腸素材の「デトセンナ」(キャンドルブッシュエキス末)のほか、認知機能サポート素材で、国内では今後機能性表示食品対応素材として販売していく計画の「mnemoPQQ」(ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩)のまずは4製品を中国や台湾、ASEAN(東南アジア諸国)などに輸出する。
アジア市場に販路広げる
輸入原材料の一部はアジア地域で製造されているが、同社専用の留め型製品だったり、安全性や機能性に関するエビデンスを日本国内で蓄積していたりする。同社の独自製品としてアジア地域に展開していきたい考えだ。
これまでも原材料や最終商品の海外輸出を行っていたが、一部にとどまっていた。国内市場の開拓余地はまだ残されているが、昨年9月に創立40周年を迎えたのも機に、海外営業部門を今年2月に新設。販路を国内からアジアまで広げることにした。
中長期的には現地に直接進出、営業していくことも検討するが、当面は、国内を拠点に輸出事業を育成していく。現地のディストリビューターや国内の専門商社のほか、海外の顧客を多く抱える受託製造企業などと連携していく可能性も模索する。
【石川太郎】