風評被害はどこまで広がるのか(3) 黒酢のえがお、全国紙に全5段広告を出稿
先週4月12日から14日にかけて、九州通販大手の㈱えがお(熊本市東区、北野忠男社長)が全国紙に3回にわたる広告を掲載した。「紅麴報道に不安をお持ちのお客様へ。」という全5段広告である。
広告では、「長年に渡り、えがおの商品をご愛顧いただき心より感謝申し上げます。報道での不安を感じていらっしゃると思いますが、弊社において紅麹原料は一切使用しておりませんのでご安心ください」(原文ママ)とし、「良質な素材選び」、「35年の実績」、「医薬品レベルに準拠した国内製造」、「定期分析による安全性確認」の4点について、同社のこだわりを主張している。
小林製薬㈱(大阪市中央区)の「紅麹関連製品」が原因とみられる健康被害が拡大する一方で、同社の原料とは無関係の紅麹原料を使用した商品、また紅麹とは直接関係のない機能性表示食品や健康食品に対する風評被害による影響が業界を覆っている。
(公社)日本通信販売協会(粟野光章会長)はきのう16日、契約解約が急増しているとされる会員企業に対して、健康被害情報の取り扱いに関する要請を行った。
業界最大手の㈱サントリーウエルネス(東京都港区)は今月4日と13日に公式サイトに同社商品と紅麹原料との関係を否定するメッセージを発信し、「サントリーウエルネスの商品で、原料に紅麹を使用しているものはありますか?」というFAQ による対応を図るという徹底ぶりだ。
えがおは、広告出稿に踏み切った理由として、メディアによる一連の報道が想像以上に消費者の不安をあおっている実情を伝えている。
同社は編集部の取材に対し、「紅麹を単に否定することは不適切であり、機能性表示食品に総点検という行政メッセージもあったことで、必要以上に不安感を持つお客様がいる」とし、同社においても一定の解約があったことを明かしている。また、「解約されないお客様の不安に対しても対応することが企業使命であると考える。既存顧客のみならず、旧会員または新会員の皆様の間にも不安があることを鑑み、多くの方に告知する手段は弊社ホームページのみならず、新聞告知が不可欠だと判断した」と答えている。
(つづく)
【ウェルネスデイリーニュース編集部】
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