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酸味と旨みの絶妙なハーモニー 【周年記念商品&企業2023】湖池屋『すっぱムーチョ』30周年

 現在のストレス過多な社会状況から消費者ニーズも強炭酸や追いレモン味を求めるなど、解放や癒しを求める傾向が強まっているようだ。『すっぱムーチョ』を製造販売する湖池屋ではモニタリング調査やSNSなどから、そうした時代のニーズに敏感に反応する商品を提供してきた。同ブランドを担当するマーケティング本部マーケティング部第1課次長の加藤俊輔氏に、現在の取り組みと周年に向けたプロモーションの方向性について話を聞いた。

新たな市場開拓を目指し酸味系スナックにトライ
 
 “辛味系”スナック菓子のパイオニアと言える『カラムーチョ』(1984年発売)で成功を収めた湖池屋が、それとは別の方向性である“酸味系”の市場開拓に挑んで誕生した『すっぱムーチョ』。現在では『じゃがうまビネガー』と『さっぱり梅』の通年商品に加え、限定販売後の問い合わせが特に多かった『めっちゃすっぱムーチョ すーっぱいビネガー』のレギュラー発売も行っている。
 「発売当時、酸っぱさを最大の特徴とするスナック菓子がほとんど無かったことから評判が広がり、現在でも酸味系スナックの定番ブランドとして長くご支持をいただいています。コロナ禍の巣ごもり需要ではスナック菓子全般の売上が伸びましたが、『すっぱムーチョ』はその酸味によって癒しやリラックス感を味わえる特別な商品として売上に貢献してきました。当社がこだわっているのは、単に酸っぱいのではなく、じゃがいもの旨みとビネガーの酸味の絶妙なバランスをその時代の嗜好に合わせること。だからこそ、長く続く商品に成長し、派生系商品にもつながったと考えています」
 酸味があって、その味覚から手軽に気分転換できること以上に、旨みをどう感じてもらえるかに注力した結果がロングセラーにつながったと話す。

周年記念の第1弾はホテルとのコラボメニュー

 喫食シーンとしては、各家庭で小腹を満たすためのおやつとして需要に応えてきたのがこれまでだったが、コロナ禍を経て、かなり変化もみられるようになったという。

 「実は『すっぱムーチョ』は女性にも支持されているブランドでして、これまでは家庭での昼夜のリラックスタイムの喫食習慣が多かったのですが、コロナとなってからはリモート勤務の若い男性から中高年層においても休憩時間に喫食するケースが増えたため、ファン層も幅広くなりました」。再販売の期待に応えた『めっちゃすっぱムーチョ』も、新たなファン層開拓の意味も踏まえてのレギュラー化だという。
 「旨みと酸味のハーモニーを維持しながら、リフレッシュ&リラックスをコンセプトにした現状ではまさに唯一無二の商品」と加藤氏は売れ行きに手応えを感じているようだ。
 30周年記念のキャンペーンとしては、4月から東京・新橋の高級ホテル『第一ホテル東京』とのコラボメニューを実現。同ホテルが同じく開業30周年を迎えるという縁から、『すっぱムーチョ』を取り入れたメニューをホテル内のレストランにて提供する。もともと完成された調味料の側面も持っている商品であるため、どのように生かされているかも興味深いところだ。

(聞き手・文:堂上 昌幸)

(冒頭の写真:1993年発売当時の商品パッケージ。下の写真:30周年を前に2022年3月にリニューアルした現行商品/同社提供)

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