通販業界の健全な発展を推進する JADMA定時総会報告会開催
(公社)日本通信販売協会(JADMA、粟野光章会長)は17日、「第11回定時総会報告会」を都内で開催した。オンラインとの併用で開催され、会場には、JADMA会員企業など約120人が参加した。
冒頭の挨拶で粟野会長は、一般消費者に対する事業活動として、「協会内の消費者相談室において、通販に関する相談や苦情に対応すると同時に、一部の悪質な定期販売事業者が起こした相談案件に関して行政機関や関連団体と情報共有を行い、早期の取り締まり、指導を支援してきた」と説明。
また、成人年齢の引き下げに伴い、全国の家庭科・技術の教材が改訂された。通信販売を安心して利用するための1つの目安として、その教材のほとんどに協会の役割やJADMAマークが掲載された。「協会として、改めてJADMAマークの使用規則を見直し、会員各社に利用促進を図ると同時に、認知度向上に努めてきた」と話した。
事業者向けの活動として同協会では、各種セミナーを通じて、通信販売に関する知識の向上や関連法規の周知に努めてきた。コロナ禍でも参加しやすいオンラインでのセミナーを年間約30回開催。また、行政が通信販売業界の課題として注視する案件に素早く対応できるように、昨年、コンプライアンス部会を設立し対応を強化。特に、食品表示に関する課題については、協会の理事各社を中心にワーキンググループを組織し、通信販売広告における食品表示に関する方針を作成し、会員各社に周知を図ったとしている。
また粟野会長は、「ウィズコロナ、アフターコロナの時代においても、消費者から信頼される存在として、通信販売業界が健全に発展できるよう協会としてより一層取り組む」と話した。
重要な社会インフラとして、健全な発展に期待
来賓として挨拶した若宮健嗣内閣府特命担当大臣は、「通信販売業界は、デジタル社会の進展を背景として年商10兆円を超え、さらなる拡大を続けている。地域を問わず誰もが安心して利用できるような、社会インフラとしての健全な発展に期待が寄せられている。通信販売市場の健全な発展と、消費者の利益保護の観点から、同協会が重要な役割を担っている。同協会の活動に感謝したい」と話した。
消費者庁としては、消費生活のデジタル化に対応した消費者保護やルール作りに取り組んでいると説明。「取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律」が今年5月1日、「改正特定商取引法」が6月1日に施行された。さらに、広告手法の多様化への対応として、「アフィリエイト広告を利用する広告主による表示等の管理に関する指針」の改正、ステルスマーケティングなどの課題についての検討も進めている。また、増加する食品のインターネット販売について、食品表示の情報提供のためのガイドブックを6月15日に公表した。デジタル化への対応を急いでいるとしている。
また若宮大臣は、機能性表示食品についても言及。「国民の健康意識の高まりもあり、機能性表示食品が、制度開始から8年目で5,000件を超えるなど、飛躍的な伸びを示している。届出確認業務の合理化、効率化を図るために、同協会にも意見を聞き、民間機関における届出事前確認の仕組みの構築を進めている。本年度中をめどに運用開始を目指している」と話した。
(冒頭の写真:挨拶した粟野会長)