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輸入原材料GMP、大手メディアも後押し 民間の取り組み、日経が伝える

 健康食品GMP第三者認証機関(一社)日本健康食品規格協会(JIHFS、池田秀子理事長)が7月下旬から受付を開始した健康食品の輸入原材料GMP認証(7月22日付及び同31日付など既報)の取り組みを大手日刊紙が報じた。

 8月18日付日本経済新聞朝刊。「健康食品の原料 民間認証/紅麹問題受け/安全性の向上めざす」と、民間主導で安全性の確保を図る取り組みであることを強調する4段見出しを打ち、紙面の右カタで大きく取り上げた。トップ扱い。報道は続き、翌19日、日経の記事を追いかける格好で産経新聞のオンライン版にも同様の記事が掲載された。JIHFSの事務局には他のメディアからも連絡が入っている。

 時代が変わった感。健康食品業界専門メディアだけでなく国民的メディアにまで「GMP」の3文字が躍る時代になった。NHKのニュースサイトに4月5日付で掲載された記事の見出しは「小林製薬『紅麹コレステヘルプ』原料の製造工場 GMP認定なし」

 機能性表示食品のサプリメントに生じた健康被害問題は、メディアから消費者まで、健康食品の最終製品のみならず原材料の安全性や品質に目を向けさせるとともに、それらとGMPは不可分の関係にあることを啓発するきっかけになったといえる。

 9月1日に一部施行、一部実施される改正・機能性表示食品制度。健康被害問題を踏まえた安全性や品質の確保との関連では、錠剤やカプセルなどのサプリメント形状の機能性表示食品を届け出たり、販売したりする要件として、法令(内閣府告示)に定めるGMP基準の遵守が規定される。経過措置期間が設けられるため完全施行は2年後。健康食品とGMPの関係を認知する消費者が増えていきそうだ。

「健康食品の安全性向上につながる」

 一方、GMP基準の遵守義務がかかるのは最終製品のみ。原材料に関しては、「GMP管理が望ましい」(機能性関与成分を含む原材料について)とする見解を消費者庁は示しているものの、今回の制度改正では要件化を見送った(今般の健康被害問題の背景には、小林製薬が製造していた原材料の衛生・製造・品質管理の不備があったと指摘されているにもかかわらず)。これに対して内閣府の消費者委員会は、「原材料工場にも(GMP基準を)適用できる仕組みを検討すべき」と意見している。

 そのような中、JIHFSの輸入原材料GMP認証の取り組みを大きな扱いで報じた日経。記事は、同認証の意義をこう伝える。

 「原材料の品質の管理は現在、輸入業者などに任されている。外部の審査を受けていない企業が多い。同協会によると原材料に占める輸入品の比率は5割を超えるとみられる。日本とは異なる環境で製造され、輸送中に劣化することもある。認証制度ができることで健康食品の安全性向上につながる」

 JIHFSが輸入原材料GMP認証の受付を開始してから1カ月あまりが経過した。認証を取得した輸入原材料は、今のところまだない。

 認証取得は決して容易ではない。まず、海外の製造元の理解と協力が必要不可欠。非開示書類の開示を説得する必要が生じる場合も考えられる。また、物価高に円安が重なる中で、認証取得費用など更なるコスト増を迫られる。

 さらに、「国内におけるロットごとの分析試験の実施」が輸入原材料GMP認証の肝。製品規格から外れていたり、過去のロットにないピークが現れたりしていないかを確認する品質管理を日本国内で実行する必要がある。認証取得によって、輸入原材料の品質に関する「客観的証拠」を得られることになるが、ハードルは高い。

 ただ、JIHFSによると、複数の輸入事業者から問い合わせが入っている。現在、説明や聞き取りなどの対応を進めているという。大手メディアの後押しも受ける輸入原材料GMP認証を最初に取得する事業者はどこか。

【石川太郎】

(冒頭の画像:8月18日付日本経済新聞「日曜版」から)

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