豆腐類などの摂取量が多い人で高い膵がんリスク
豆腐類などの摂取量が多い人で、膵がんに罹患するリスクが高いことが5日、(国研)国立がん研究センターの研究でわかった。
研究班は、1995年と98年に全国10地域に在住していた45~74歳の約9万人を対象に、2013年まで追跡調査を行った。食事調査アンケート結果を基に、「総大豆食品」、「発酵性大豆食品(納豆、みそ)」、「非発酵性大豆食品(豆腐類・高野豆腐・油揚げ・豆乳)」、「各大豆食品(納豆、みそ、豆腐類)」の4グループに分けて、膵がんに罹患するリスクを比べた。
研究の結果、「総大豆食品」の摂取量が多い人で、膵がんの罹患リスクが高い傾向が認められた。豆腐類や豆乳などの「非発酵性大豆食品」についても、同様の関連性が見られた。一方、納豆・みその「発酵性大豆食品」では関連が見られなった。
また、個々の大豆製品については、「豆腐類」の摂取が多いと膵がんの罹患リスクが高いという関連が認められた。
研究班は、「総大豆食品」の摂取量が多い人で膵がんの罹患リスクが高い理由は不明だが、動物実験により、非加熱大豆飼料を与えた動物では、下痢や膵臓の腫れが見られたという報告があると説明。また、大豆に含まれるトリプシンインヒビターなどの消化酵素阻害成分の消化酵素や消化管ホルモンへの影響などが考察されるとしている。