荷主企業として積極的に取り組む 第2回「送料無料」表示の見直しに関する意見交換会開催
消費者庁は9日、「第2回『送料無料』表示の見直しに関する意見交換会」を開催した。
「物流革新に向けた政策パッケージ」(2023年6月2日我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議)において、「送料無料」表示の見直しに取り組むことが取りまとめられた。これを受けて消費者庁では、「送料無料」表示に関する実態や見直しによる影響などを把握するため、運送事業者、荷主事業者などと意見交換会を実施している。
第2回の今回、アジアインターネット日本連盟(AICJ)が意見を述べた。AICJの竹廣克氏は、「物流革新に向けた政策パッケージ」で掲げられた政策が確実に実行されることを期待すると同時に、連盟としても置き配やまとめ買いなど、再配達削減などの物流効率化の取り組みを図るとした。そして、消費者に対して、「2024年問題」、特に再配達削減の必要性に対する理解を求めることが極めて重要な課題であると主張。国土交通省や経済産業省が進めている、政府広報に積極的に協力するとの同連盟の基本認識を示した。
「送料無料」表示の見直しが、再配達削減など消費者の行動変容の促進なのか、消費者への価格転嫁の促進なのか、その目的を明確にした上で議論をしてもらいたいとの指摘を行った。その上で、仮に「送料無料」表示を見直す場合、「配送料」というかたちで、消費者負担は無いものの、実際には物流事業者に対して「運賃」が別途支払われている旨の十分な説明を行うことが現実的な方向性だと説明した。同連盟としても、荷主企業として必要な取り組みを行うと同時に、消費者とのコミュニケーションに真摯に取り組む意向を示した。
同連盟の母体は、香港で設立され、現在シンガポールを拠点とする国際的にインターネットビジネスを展開する企業の連盟である「ASIA INTERNET COALITION(AIC)」である。シンガポール、ベトナム、香港、マレーシアなどアジア地域におけるインターネット政策に関し、積極的に政策提言を行っている。AICJはその日本連盟として、日本における革新的なビジネス、インターネット産業の健全な成長を促す提言を行うことを目的に2013年9月に設立された。現在、アマゾンジャパン(合同)や㈱カカクコム、㈱メルカリ、ヤフー㈱など18企業が会員として参加している。
【藤田 勇一】