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消費者庁初の審議会が船出 食品衛生基準審議会、サプリメントの健康被害問題下で初会合

 食品衛生基準行政が厚生労働省から消費者庁へ移管されたのに伴い、同庁に設置された「食品衛生基準審議会」が10日午後、初の会合を同庁内で開いた。政府から辞令を受けた学識経験者や消費者団体関係者など委員15人全員が出席し、公衆衛生学などを専門とする村田勝敬・秋田大学名誉教授を審議会長に選任。機能性表示食品のサプリメントとの関連が疑われる健康被害が社会問題になっている中で、同庁として初の審議会が動き出した。

審議会長、「機能性表示食品含む食の安全に対処」

 食品衛生基準審議会は、厚生労働省に設置されていた「薬事・食品衛生審議会」から食品衛生基準行政に関わる調査・審議部門を切り離し、同庁に移管したもの。15人の委員は新たに任命された。審議会長に選任された村田氏は挨拶で、食品衛生に関わる過去の社会問題をふり返りつつ、今年になって機能性表示食品のサプリメントとの関連を否定できない健康被害が広がっていることに触れ、「食の安全を脅かす問題は、枚挙にいとまなく発生し、国民の関心が高くなっている」と世相を俯瞰した。

 一方で、食の安全をめぐる問題に対する注意喚起は忘れられやすく、そして「忘れた頃に新たな健康問題が発生している現状」もあると村田氏は指摘。そのため、「人々の脳裏に残る食品安全の啓発と推進を可能にする仕組みを速やかに構築することが求められる」と述べた上で、「食品衛生基準審議会は、わが国の機能性表示食品を含む食品の安全に対し、どこまでも対処していかねばならない。そのために、新たな証拠に基づく、食品安全に関する規格基準を逐次、策定及び改定していく必要がある」と今後の食品衛生基準審議に向けた方針を示した。

新開発食品調査部会も設置、部会長に曽根氏

 食品衛生基準審議会の下には、食品規格部会、添加物部会、器具・容器包装部会など、計8つの部会も設置された。新開発食品調査部会も設けられ、健康被害情報の報告などが義務化されている「指定成分等含有食品」の指定に関わる調査審議をはじめ、組換えDNA技術応用食品などといった新たな技術で製造・加工された食品の規格基準の設定に向けた調査審議を担当する。部会長には、曽根博仁・新潟大学大学院医歯学総合研究科教授(血液・内分泌・代謝内科学分野)が就いた。

 新開発食品調査部会は、厚労省が所管していた薬事・食品衛生審議会にも設置されていたもので、健康食品に関する調査審議も担当していた。先月、新たな指針(ガイドライン)として施行された、健康食品の安全性確保に関わる「2大通知」(平成14年通知、同17年通知)の改正に向けた調査審議を行ったのも同部会。曽根氏は、薬事・食品衛生審議会からスライドするかたちで食品衛生基準審議会の委員と、新開発食品調査部会の部会長を引き続き務めることになる。8つの部会の中で、健康食品業界関係者が動向を最も注視する必要のあるのは、曽根氏率いる新開発食品調査部会となりそうだ。

 なお、委員の1人、合田幸弘・国立医薬食品衛生研究所名誉所長は、放射性物質対策部会長に就いた。

 この日の初会合には、自見はな子・消費者及び食品安全担当相をはじめ、消費者庁からは新井ゆたか長官、吉岡秀弥次長、中山智紀食品衛生・技術審議官、依田学審議官らが参加。同庁が所管する機能性表示食品制度をめぐって安全性に関わる課題が大きく立ち上がっている中で、食品安全に関わる審議会の初会合が開かれるとあって、報道関係者も多数、詰めかけた。

【石川太郎】

(冒頭の写真:食品衛生基準審議会、初会合の様子。中央合同庁舎4号館)

関連記事:食品衛生基準審議会、委員に合田氏ら15人

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