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消費者庁の概算要求169.2億円~過去2番目 紅麹サプリ事件受け、保健機能食品体制強化へ

 消費者庁は8月30日、令和7年度(2025年度)予算の概算要求を公表した。前年度予算141.3億円に対し、27.9億円多い169.2億円を要求する。これは、概算要求額としては過去最高だった昨年に次いで2番目に多い。

 来年度は、小林製薬「紅麹サプリ」事件を受け、保健機能食品への体制強化を図る。
 今年5月開催の関係閣僚会合で取りまとめられた「紅麹関連製品に係る事案を受けた機能性表示食品制度等に関する今後の対応」を踏まえ、錠剤、カプセルタイプの機能性表示食品に関する体制を整備する。

 GMP に基づく製造管理が届出者の遵守事項とされたことに伴い、「消費者庁が直接、立入検査等を行うための必要な体制整備」、「新規の機能性関与成分について科学的知見を有する専門家の意見を聴く仕組みの導入」、「事後チェックのための買上げ調査事業の対象件数の拡充」、「機能性表示食品と医薬品との相互作用や過剰摂取のリスクに関するリスクコミュニケーションの実施・消費者教育の強化」などが新たに盛り込まれた。

 科学的根拠の整理や適切な制度運用に取り組むに当たり、「機能性表示食品における安全性確保等に向けた取組」に3億円、「保健機能食品の在り方検討に資する調査研究」に3,000万円を新たに計上。「買上調査等による検証事業」では、現状100件程度の買上を1,000件に大幅拡充するに当たり、7,000万円を追加計上し9,000万円とした。

 4月に厚生労働省から移管した食品衛生基準行政の推進に当たっては、「食品衛生規格基準の企画立案に関する調査・分析、体制整備」などに2億9,000万円増額の18億4,000万円、「食品の安全性確保に関する研究の推進」に5,000万円増額の3億1,000万円を要求する。
 同予算の下、健康被害に関する国内外の情報収集、情報収集を踏まえた原因成分の特定に関する試験検査や食品中の残留農薬の分析法の開発などに取り組む。また、食品用器具・容器包装等の規格基準の策定のための調査・分析を実施する他、いわゆる培養肉などの新開発食品についても最新の科学的知見や海外の規制状況の収集、検証を行う。

 その他、「デジタル社会における消費者取引適正化・デジタル広告の不当表示等への対応強化」に1億5,000万円、「時代に即した食品表示の検討」に4,000万円、「送料無料表示の見直し」に対して5,000万円を計上した。

 機構・定員要求事項では、保健機能食品に関する体制強化として、保健機能食品を製造するGMP工場への立ち入り検査要員8人を含む16人を要求。いわゆる「健康食品」に関する規格基準策定検討のための体制整備に1人を含む31人とした。

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