消費者庁、届出GL廃止しマニュアル制定 機能性表示食品の関係法令条文「参照しやすく」
1日に一部施行された機能性表示食品制度の改正に関連して、消費者庁は機能性表示食品の届出ガイドラインを8月30日付で廃止し、ガイドラインに代わる運用通知として「機能性表示食品の届出等に関するマニュアル」を制定、2日に公表した。マニュアル制定に伴い、質疑応答集(Q&A)の一部改正も行った。
同庁食品表示課によると、ガイドラインからの大きな変更点としては、制度改正のために改正したり、新たに公布したりした、機能性表示食品の関係法令の条文を参照しやすくしたことがある。
先月末までに新たに公布された機能性表示食品の関係法令には、改正食品表示基準(食品表示法に基づく内閣府令)の他に、同府令に基づく2つの告示(届出の方法を定める告示及びGMP告示)があり、届出の要件などを定めた法令が分散している。届出者など食品関連事業者は各法令を都度、確認する必要がある。このため、マニュアルでは、対象食品などの各項目について参照すべき関係法令の根拠条文を引用して記載することで関係法令を一覧できるようにした。
GMP告示に関わる別紙様式を新たに
また、届出に使用する別紙様式を新たに作成した。制度改正でサプリメント(天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品)についてはGMP告示に基づく製造・品質管理が要件化された。それに関連し、別紙様式(Ⅲ)の「製造及び品質の管理に関する情報」に、GMP告示に基づきサプリメントを届け出る場合に使用する様式「(Ⅲ)の1の2」が新たに組み込まれた。
GMP告示は1日に施行済み。そのため、すぐにでもサプリメントについて告示に基づく届出を行うことができる。一方、経過措置期間が設けられているため、2年後の2026年8月31日までは、告示に基づかない届出を同庁は受け付ける。商品パッケージ等の表示方法の見直しについても同様の措置が取られる。
一方、マニュアルは、来年4月1日までに見直されることになりそうだ。消費者庁は、制度改正に関連して、GMP告示に続く内閣府告示を同日施行する予定。「マニュアルの内容をそれまでに見直す予定」(食品表示企画課)という。この告示について同庁は、関係法令に反映できていないガイドラインの内容を極力、落とし込む考えを示しているため、マニュアルが廃止される可能性もある。
なお、消費者庁が示したガイドラインからの変更点は以下のとおり。
- ガイドライン中の「ガイドライン」及び「本ガイドライン」を、それぞれ「マニュアル」及び「本マニュアル」としたこと。
- 各項目で参照すべき内閣府令等がわかるように、該当する根拠条文について引用して記載したこと。
- 天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品(サプリメント形状の加工食品)についてはGMP告示に基づく管理が要件化されることを踏まえ、別紙様式(Ⅲ)-1-2を新たに作成し、当該告示に基づく管理について届け出る場合は、別紙様式(Ⅲ)-1に代えて別紙様式(Ⅲ)-1-2に記載することとしたこと。
- ガイドラインの「Ⅳ(Ⅳ)健康被害の情報収集に係る事項」のうち、令和6年9月1日以降に適用しない内容について、文字の網掛けを行ったこと。
- ガイドラインのⅣ(Ⅳ)の「第2 届出後における健康被害情報の収集・評価・報告」を「第2 届出後における健康被害情報の提供」とした上で、以下の内容について追加したこと。
① 「機能性表示食品等に係る健康被害の情報提供について」(令和6年8月23日付け健生食監発0823第3号厚生労働省健康・生活衛生局食品監視安全課長通知)に基づき対応すること。
② 健康被害の情報提供について、保健所等へ報告した内容を消費者庁食品表示課にもメールにて情報提供する旨及び情報提供先の消費者庁食品表示課のメールアドレス。 - 引用した内閣府令等及び令和6年9月1日に適用される内容等について、太枠で囲み強調したこと。
【石川太郎】
関連資料:機能性表示食品の届出等に関するマニュアル(消費者庁HPへ)
:機能性表示食品に関する質疑応答集 新旧対照表(同上)
関連記事:届出ガイドライン「できれば廃止に」 制度改正めぐり消費者庁