消費者を巻き込んだ政策に意義 日本郵便、「送料無料」表示の見直しに関する意見交換会で意見
消費者庁はきょう(22日)、「第5回『送料無料』表示の見直しに関する意見交換会」を開催した。
「物流革新に向けた政策パッケージ」(2023年6月2日我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議)において、「送料無料」表示の見直しに取り組むことが取りまとめられた。これを受けて消費者庁では、「送料無料」表示に関する実態や見直しによる影響などを把握するため、運送事業者、荷主事業者などと意見交換会を実施している。
第5回の今回、日本郵便㈱ロジスティクス事業部執行役員の五味儀裕氏が意見を述べた。日本郵便は、郵便・物流事業のネットワークを地域区分局と集配郵便局のハブ&スポーク型で構築している。輸送モードの8割超をトラックで行っており、2024年問題への対応、特に長距離トラックドライバー不足は非常に重要な問題と位置付ける。そのための対応策として、中継輸送の拡大や働きやすい職場環境の整備のほか、車両の大型化や他社との共同運行などによるトラック便数の削減、自動走行などの先端技術の活用に取り組んでいる。
五味氏は、「送料無料表示」の見直しを議論するにあたり、「発荷主である販売事業者やそれを運ぶ運送事業者だけでなく、再配達の削減や受取方法を多様化させるといった消費者の行動変容を促すなど、着荷主である消費者側を巻き込んだ政策パッケージになっていることが画期的。物流を担う事業者として、社会全体課題と捉え取り組んでいきたい」と話した。
また、楽天グループとのジョイントベンチャー「JP楽天ロジスティクス」の設立、ヤマトグループとの相互のネットワークやリソースの共同活用、佐川急便との幹線輸送の共同化といった、物流業界が抱える社会問題の解決に向けた他社との協業の具体例を紹介した。
【藤田 勇一】
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