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沖縄のヘルスケア産業を展望する~コロナ禍への挑戦(後)

<WOJの認知度に課題>
認証商品の幅が広がる一方で、制度の拡充にはまだ課題も多い。その1つが認知度。
同協議会ではこれまで、地元のイベントや商談会だけでなく、東京で開催される展示会にも出展し、制度の知名度向上や認証企業によるプレゼンなどを支援してきた。

認証商品を持つある事業者は昨年、東京都内の百貨店に期間限定の店舗を出店した。担当者は、「自分たちが主導で動かなければ認知度は上がらない。東京で販売実績を作り、それを沖縄に持ち帰り、沖縄県民に向けてPRしたい」と話していた。しかし、こうした取り組みも、今年はコロナの影響で軒並みストップ。県内でのイベントに参加するのみにとどまっている。

沖縄物産を集めたショップ「沖縄宝島」は昨年6月、沖縄県浦添市にオープンした店舗内に「WELLNESS OKINAWA JAPANコーナー」を設け、認証商品を取り扱う棚を設置している。
設置当初から、「棚を作っただけでは売れない、そのため、週末にメーカー自らが店頭に立ち、試食会・試飲会や説明会を開催するなど、販促のプロモーションが必要」と話していた。「観光客数が激減した今、訪れるのは地元の消費者が大半。その地元の消費者が制度を知らないのが現状」と言う。

<安定供給にも課題>
WOJの課題としてもう1つ、原材料の安定確保と製品の安定供給を指摘する声がある。制度の審査基準である「情緒的価値」を満たすため、沖縄色を打ち出さなければ意味がない。そのため、原材料は天然で沖縄由来である必要があり、県外や海外などの沖縄以外のものや化学的なものでは代用できない。当然、天然であるため収穫量は気候によって大きく左右される。安定した供給には不安がある。

また、原材料が確保できたとしても、製造は中小企業が大半を占めるため、求められる大量生産やコストダウンに応えることができないというジレンマもあるようだ。商談会や展示会で大手食品メーカーや通販会社、流通事業者から関心は示してもらえるが、ほとんどが契約まで至らないのが現状だ。事務局には、大手取引先との出会いよりも、自社の身の丈に合った事業者とのマッチングを求める声が多いという。

ある事業者からは、「沖縄には多くの健康素材があるが、安定供給や原料コストの面で課題も多い。大手企業が次々と参入し、巨費を投じて研究開発やプロモーションを行っているのに対して、沖縄県内企業は総じて元気がない。自社単独での研究開発は難しく、産官学の連携が必須」という声が聞かれた。

かつて沖縄では、もろみ酢ショックやウコンショックで辛酸をなめた経験がある。
今回は、コロナ禍で大きく影響を受けた。この状況をチャンスと捉え、復権へ向けて一丸となり、前向きに進む動きも見られる。これまで以上に、古い感覚にとらわれないスピード感のある動きが求められる。

【藤田 勇一】

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