機能性表示食品市場、5千億円超に 22年、富士経済調べで前年比20%以上増加
機能性表示食品の2022年の市場規模が前年から20%以上伸び、およそ5,500億円が見込まれるとする調査結果を、㈱富士経済(東京都中央区、菊地弘幸社長)がこのほど発表した。サプリメント、ドリンク類、明らか食品の各分野で規模が拡大。特に、ドリンク類の伸びが大きく、前年比30%以上の増加が見込まれる。一方で、特定保健用食品(トクホ)の市場規模は減少の見込み。
調査は昨年11月から今年1月にかけて行ったという。消費者庁が運用する機能性表示食品の届出情報公開データベースによると、届出全体のうち現在販売されている機能性表示食品は今月6日時点で約2,900。
富士経済の調べによると、機能性表示食品の22年市場規模は見込みで、前年比24%増の5,462億円。分野別の伸び率と規模については、サプリメントが13.6%増の2,131億円、ドリンク類が34.4%増の2,983億円、明らか食品が12.2%増の349億円のそれぞれ見込み。「脂肪対策」の需要が高まり、また、ストレス緩和や睡眠の質向上などを複合的に訴求する商品が市場をけん引したことで、市場規模を押し上げた。
ストレス緩和を訴求する機能性表示食品の市場規模は22年、前年から84.4%の伸びが見込まれる。規模としては557億円。新型コロナ禍でストレスのほか睡眠や疲労感などをケアする機能性表示食品に注目が集まった。ただ、「今後の伸びは鈍化する」と同社は見ており、「トライアル顧客の定着や店頭の回転率アップが課題だ」と指摘。23年の市場規模については前年比25億円増の582億円を予測している。
トクホ市場規模は縮小が続く
一方、トクホの22年市場規模については、同様に見込みで前年比6.0%減の2,860億円。トクホで主力のドリンク類は8.1%減少の1,730億円が見込まれるという。
同社の調べによれば、トクホの市場規模は18年に前年を下回って以降、縮小が続いている。機能性表示食品制度のスタートを受けてトクホに注力する企業が減少、それにともない新商品の発売も減少、そのうえで既存トクホの機能性表示食品への切り替えが進んでいる──ことが要因だとしている。23年についても市場規模の縮小を予測。21年比約10%減の2,746億円を示している。
【石川 太郎】
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