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機能性表示食品制度の見直し急ピッチ 内閣府令改正案、20日にも消費者委で審議入りへ

 機能性表示食品制度を見直すために改正される食品表示法に基づく内閣府令「食品表示基準」について、改正案が今月20日にも公表される見通しとなった。

 改正について政府から諮問を受けることになる消費者委員会の下部組織、食品表示部会(今村知明部会長=奈良県立医科大学公衆衛生学講座教授)が20日に会合を開き、改正案の内容を審議する予定。きのう6日開催の同部会の会合で今後のスケジュールが示し合わされた。

消費者庁、食品表示基準改正の「方向性」示す 

 部会が6日開いた会合には、消費者庁の審議官、食品表示課長、保健表示室長ら幹部が出席。機能性表示食品制度の見直しに向けた政府方針の他、食品表示基準改正の「方向性」を説明した。それによると、改正では、機能性表示食品の届出者に対して課す遵守義務事項を新たに規定し法令化。違反した場合は食品表示法に基づく行政措置(指示・命令)とする。

 また、届出者に対して新たに課す遵守義務事項は、届出時と届出後(販売時)の2つの観点に分けて規定する方向だ。届出時については、サプリメント形状の製品に関するGMP(適正製造規範)の遵守義務を規定。GMPの具体的な内容は、食品表示基準の告示で規定する。原材料の製造工程管理に関してはGMPを要件化しない方向だ。

 他に、届出実績のない新規の機能性関与成分に関する届出資料提出期限の特例(原則60営業日前のところを120営業日前に)を規定する。この規定は、届出資料の確認に「特に時間を要する」と消費者庁長官が認める新規成分や成分の組み合わせなどについて、専門家の意見を聴く仕組みを新たに導入するのに伴うもの。届出資料の形式確認を「より慎重に行う」目的がある。

 一方、届出後の販売時については、4つの遵守義務事項を規定する方向。①サプリメント形状の「最終製品」の製造工程管理におけるGMPの遵守、②健康被害の情報収集及び消費者庁と保健所への情報提供の遵守、③表示している機能性の科学的根拠が最新かどうかの情報収集、④各届出後遵守事項の自己チェック──の4つ。遵守しない場合は機能性表示食品としての「要件」を満たさないものとみなし、機能性表示食品である旨の表示が出来なくなることを食品表示基準で規定し法令化する。

 他に、現行の食品表示基準で規定している義務表示事項を見直す。安全性などについて国による評価を受けた特定保健用食品ではないこと、疾病の治療などを目的とする医薬品ではないことを明示的に示す義務表示に改める。また、摂取上の注意喚起をより具体的に記載するなどの見直しを行う。届出者は、容器包装(商品パッケージ)の大幅な改定を迫られる。

 食品表示基準の改正案は、消費者委員会の食品表示部会で20日に審議された後、同委員会の本会議でも審議される予定。6日の部会会合で、消費者委員会の委員でもある今村部会長は、答申に付帯意見を付ける見通しを示した。

【石川太郎】

関連資料:消費者庁が示した「食品表示基準の一部改正の方向性」(消費者委員会のホームページへ)
関連記事:消費者委、GMP基準「より厳しく」 機能性表示食品制度見直しで厳しい視線
    :機能性表示食品制度見直し決まる GMP遵守など法的拘束力を強化

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