機能性表示食品の偽造品がまた メタバリアに続きターミナリアファーストでも
偽造された機能性表示食品の流通が発覚するケースが立て続いている。個人間で商品売買を行うフリーマーケットサイトを中心に流通されており、偽造品被害に遭った販売会社は、公式サイトや店頭など正規販売ルートで購入するよう消費者に強く呼び掛けている。
現在までに、少なくとも2製品で偽造品の流通が確認された。3月、富士フイルム㈱(東京都港区)が販売する『メタバリアプレミアムEX 240粒 袋タイプ』の偽造品が一部のオークションサイトなどで取り引きされている実態が明るみになったのに続き、化粧品やサプリメントのインターネット通販を手がける㈱ビタブリッドジャパン(同)が販売する『ターミナリアファースト プロフェッショナル3』でも、偽造品が複数のオークションサイトで流通されていることが先月末までに明らかになった。
いずれもサプリメントの機能性表示食品。消費者認知度が高い製品でもあり、新たに偽造品の流通が確認された『ターミナリアファースト プロフェッショナル3』は、2019年11月の発売開始から23年2月までの累計販売数が500万袋を超え、22年の累計売上が前年比で倍増していたという。
ビタブリッドジャパン、刑事事件として捜査求める
ビタブリッドジャパンによれば、フリマサイトで購入した消費者からの連絡で偽造品の流通が発覚。成分分析を行ったところ、本来含まれているはずの機能性関与成分が検出されなかった。現在までに刑事事件として警察への届出を済ませており、「捜査に協力するとともに、引き続き偽造品の流通を監視し、偽造品の流通が確認されたら、プラットフォーム提供業者などに偽造品の出品削除等の対応をするよう働きかけるなど、偽造品流通の監視・阻止に努めたい」としている。
偽造品とみられる出品は、フリマサイトの『メルカリ』のほか『PAYPAYフリマ』、『楽天ラクマ』で確認されているという。同社で現物を確認できた偽造品は、現在までに10点程度。しかし同社は取材に「出品削除されたものを含め、出品画像などから判断する限り、100件以上に上る偽造品がすでに売買されていると考えられる」とコメントし、「氷山の一角」に過ぎない恐れがあるとした。
偽造品の商品パッケージは、正規品とそっくりに作られている。「購入したことの無い人が真贋を見分けるのは難しい。見た目は同じでも、何が入っているか分からない」と業界関係者は指摘する。ビタブリッドジャパンでは、現在までに確認されている正規品と偽造品の違いについて、同封の乾燥剤の色の違い(正規品は白色、偽造品は透明)や、パッケージ表面の保管方法に関する記載の書体の違いなどを挙げている。
同社は、消費者に対し、正規の販売店である同社の公式通販サイトや、楽天・Amazonなどの公式ストアで購入するよう強く呼びかけている。正規販売店以外から購入された製品の真贋の確認、交換、損害賠償には対応しない。
【石川太郎】
(冒頭の画像:「ターミナリアファースト」正規品のパッケージ。下の画像:正規品と偽造品の違いの一部。保管方法案内のフォントが異なる。いずれも同社の報道発表資料から)